実習を楽にする行動計画のポイント ~明日の実習がつらいあなたへ~

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行動計画は、毎朝、提出・発表する簡単な記録物です。
行動計画を指導者さんに発表が苦手という人も多いですが、そもそも行動計画を書くのが苦手という人もいます。

報告している看護師

実習に来て、朝から行動計画で注意されたら、「嫌だな」って思っていた実習が、より嫌になってしまいますよね?

また行動計画について

こんな時はどう書いたらいいですか

と、質問もされることもあります。

実習中によく受ける質問内容にも答えつつ、朝から嫌な気持ちにならないために、行動計画のポイントを紹介していきます。

目次

1.行動計画のポイント

行動計画の中には、「行動計画」とは別に、「一日の目標」という項目があると思います。

これらを、それぞれ分けて、ポイント解説していきます。

①「一日の目標」を書く場合

「一日の目標」には基本的に、「患者さんの、その日の目標」を書くことが多いです。
ですが、学校や場合によっては、その日の「自分の目標を書くというという所もあると思います。

そこで

  1. 「患者さんの目標」のポイント
  2. 「自分の目標」のポイント

この2つのポイントを、解説していきます。

1)「患者さんの目標」を書く場合

患者さんの目標を書くときのポイントは

ポイント

目標は各問題に対して1つずつ立てる
一度立てた目標が大きく変わることはない(例外もある)
前日の情報から患者さんの様子・状態に合わせて修正する

以上の3つを意識しましょう。

◆目標は、各問題に対して「1つずつ」立てる

自分でアセスメントした問題点に対しそれぞれ、簡単な目標を立てます。

「それぞれ」、つまり目標は、1つではなく、各問題に対して1つずつ立てます

意外とこれができていない学生さんが多いんです。

例えば

#転倒リスク
#誤嚥リスク
#日中の活動性の低下

というように問題点をアセスメントしたとします。

この場合、#転倒リスク、#誤嚥リスク、#日中の活動性の低下の、それぞれに目標を立ててきて欲しいんです。
でも、実際には「日中、趣味○○を行うことで、活動量が増える」のように、1つだけピックアップして目標を書いてくれます。

これだと、指導者側の目線では

え?あと2つは??

って、なりますよね?

患者さんに対する目標は、問題点に対して1つずつ挙げていきましょう。

◆一度立てた目標が、大きく変わることはない

患者さんの目標は、 何か大きな出来事があった時や、状態変化をした場合を除いて、一度立てれば大きく変わることはありません

しかし、実習をしていく中で、少しずつ修正が必要になります。

ここが重要です!!
大きく変わらないけど、日々の細かい修正は必要なんです。

前日の情報から患者さんの様子・状態に合わせて修正する

では、具体的にどうやって「日々の細かい修正」をしていけば良いのでしょうか?

それは、前日の情報から患者さんの様子・状態に合わせて修正することです。

例えば

「#誤嚥性肺炎」という看護問題を立てて、ケアに「唾液腺のマッサージ」を挙げていたとします。

前日の目標を、「援助のもと自分で唾液腺マッサージができる」として、ケアを行ってみた。
最初は声を掛けたらマッサージをしてくれたけれど、途中から患者さん自身ではマッサージを行ってくれなくなった。
そのため、自分(学生)が代わりに、唾液腺マッサージを行った。

そこで、今日の目標は、昨日の状況を踏まえて促すことによって、最後まで自分で唾液腺マッサージをすることができる」にしてみた。

…と、このように、「昨日得た情報から、患者さんの様子・状態に合わせて」、少し修正をしていく

一度大きな目標を立てたら、自分の関わった様子を加えて、日々修正していきましょう。

2)「自分の目標」を書く場合

次に、「自分の目標」を書くときのポイントは

ポイント

自分が何を行うのか、それによって自分がどうなりたいのか書く
曖昧な表現ではなく、できるだけ具体的に書く

以上の2つです。

自分が「何を行うのか」と、それによって自分が「どうなりたいのか」書く

「自分の目標」は、今日、自分が何を行うのか、それによって自分がどうなりたいのか(例えば、「アセスメントに足りない情報を取り、問題点を明らかにする」など)を書いていく必要があります。

これだけだと、イメージしにくいかもしれないので、下に例を書いていきます。

例:

全体的に情報収集はできたけど、排せつの部分に関して、ケアの見学ができていなかった

…とします。

この場合、「排せつ行動に関する情報」が不足していて、問題があるのかどうかが、まだアセスメントできていません

そのため
排泄動作を観察し、アセスメントすることで、 介入の必要性を判断することができる
というように、自分が「何をして」、「どうなりたいか」を書くのが良いでしょう。

◆曖昧な表現ではなく、できるだけ具体的に書く

そして、このように、できるだけ具体的に書けている方が、より良いです。

「足りない情報を収集していく」

このような目標だと、曖昧過ぎて、どこが足りない情報なのか、本当に自分で把握できているのかが、教員・指導者には伝わりにくいです。

目標は自分のために立てるものですが、「提出物」として読む相手がいるものであるかぎり、相手に分かるものでなければなりません。

そのため、書けるところはできるだけ具体的に書いていきましょう。

行動計画

行動計画のポイントは、以下の3つになります。

ポイント

実施予定時間は必ず書き、 上から時系列に並べて「今日やること」を書いていく
自分が実施するケアなのか、見学するケアなのかを、明確にしておく
 (実施の場合は1人で実施するのか、教員・指導者さんと一緒に行うことなのかを明確にしておく。)
代替案を用意しておく

それぞれ解説していきます。

1)実施予定時間を書き、上から時系列に並べる

たまに、今日やることを、思いついた順番で上から羅列する人もいます。

これだと、読む人に伝わりにくく、自分も「いつ・何をすればいいのか」が、分からなくなってしまいます。

看護師になって現場で働きだすと

「〇時に点滴、△時に処置、□時に血糖測定…」

このように、決められた時間に行わなければならない業務が多いです。

その合間で、清潔ケアやリハビリなど、様々なケアを行っていくという計画を、受け持ちの人数分しなければなりません。

どの時間に、誰の何をするのかを把握して、どこで時間が空くから記録ができそうか、仮に入院が来たら、どこで時間を調整できるのか…など
仕事をしながら、常に予定変更と時間調整、優先順位の変更を行っています。

このように、時間毎の予定を把握したり、実施するケアなどの時間を調整したりする能力。
いわゆる「タイムマネジメント」は、実際の現場でも求められる大事な能力なんです。

「時間を記入し時系列に書いていく」「予定の把握」です。

予定が把握できていると、予想外のことが起きても時間の調整をしやすくなります。

そのためにも、 実施予定時間は必ず書き、上から時系列に並べて「今日やること」を書いていく ことが大切です。

2)自分が実施するものなのか、見学するものなのかを明確にしておくこと

「見学なのか自分で実施するのかを明確にしておく」

これは学生の実習なので

  • 「一人で行えるケア」
  • 「教員や指導者が一緒でないと行えないケア」
  • 「見学しかできないケア」

もしくは

  • 「初めては見学で2回目以降は一人で行って良いケア」
  • 「教員・指導者がOKを出すまで一人ではできないケア」

など、各学校で、実習中のいろんな制限やルールが設けられていると思います。

教員や指導者側からすると、グループ内で、誰の・何のケアが・何回目なのか…
などを、全員分把握することは難しいです。

また、教員・指導者も、いつ・どこで・誰(学生)のケアを見に行くか、一緒にケアに入るかなど、各学生の行動を予想したり、計画立てたりと、その日一日の自分の行動計画を立てながら時間調整をしています。

見学か、実施かを明確にしておけば、自分のやりたいケアが、仮に「教員や指導者が一緒でないと行えないケア」 だった場合

この時間は教員・指導者の予定と居場所を気にしていなければ
、自分が行動できなくなるから気を付けよう!!

と、注意するこちができるので、行動がしやすくなるし、効率的に動くことができます。

小さいことかもしれませんが、行動計画に「見学」「実施」「何回目」のように記してくれると、教員・指導者側からしても、自分たちの行動計画が立てやすくなるので、とてもありがたいです。
教員・指導者が動きやすい=自分たちも動きやすいということなので、もちろん自分たちのためでもありますよ

教員・指導者との、関係性を築くうえでも役立つことといえますね。
※指導する者として差別や区別はダメだけど、指導者も人間なのでこういった配慮してくれる人は好感を持つのも事実

3)代替案を用意しておくこと

交換をする棒人間のイラスト

実習中よくあるんですが

看護学生

・患者さんが寝てしまって、ケアができませんでした
・患者さんに拒否されて、ケアできませんでした

という報告を受けることがあります。

こういった場合、予定していたケアができず

それで?そのまま寝かしていていいと思ってる!?

と、指導者さんから問い詰められて、困ってしまう…
というシーンをよく見かけます。

「寝てしまう」
「拒否される」
「急に、検査やICなどの別の予定が入る」

なんてことは、看護師をしていると日常茶飯事です。

しかし、こういったことを予測していないと、自分にとって「予定外」「想定外」の出来事になってしまうので、どうしたらいいのか分からず、時間に追われて焦りながら対策・対応を考えなければなりません

そのうえ、前述したように、「それで!?」と、教員や指導者にプレッシャーを掛けられてしまうことあるので、余計に焦ってしまいます。

そんな、「時間に余裕がなく、焦っている状態」で、いい対策や対応なんて思いつきませんよね?

なので、行動計画には、「〇〇になった場合は△△する。」というように、「前もって代わりになる案(代替案)を用意しておくこと」が重要になります。

例えば、認知症を患っていて、日常的にケアに対する拒否が多い患者さんや、活動意欲が低下している患者さんの場合。

こちらの提案を受け入れてもらえないことは、予想することができると思います。

そういった時は、「体操を拒否されたら、散歩を提案してみる」。などの代替案を用意しておきます。

また、連日傾眠の患者さんの場合なら、「ケア介入時眠ってしまっていたら、15分程度したら再度覚醒を促してみる。数回繰り返しても覚醒しない場合、意識レベル低下している可能性も考えバイタル測定をする」というようにしておく。

そうすると、不測の事態にも備えられ、教員・指導者にも「どこまで自分が考えて(アセスメントして)行動しているのか」が伝わります。

代替案は、記載しておくのがベストです。
ですが、記載しなくても、最低限「こういう時はどうするの?」と聞かれたら、答えられるように準備をしておくと良いでしょう。

2.時間は「作るもの」 —「時間があれば」は言ってはいけない!—

行動計画の発表を聞いていると

時間があれば計画してあった○○(ケア)をしたいです

と言われることがあります。

この計画には1つ大きな問題があります。

それは「時間があれば」の部分です。

看護師は、行動計画のところでも説明しているように、時間管理がとても大切です。

患者さんにとって必要なケアは、「時間を作って」行わなければなりません

「時間があれば」と言ってしまうと、逆に捉えれば「時間がなければやりません」という意味になってしまいます。
これでは、患者さんにとって、そのケアの必要性・優先度が曖昧になってしまいます。

問題点を抽出し、患者さんに必要だと考えて、そのケアを計画に入れたのであれば、それは「必要なケア」です。

アセスメントして、問題として挙がっているのに、「時間がなければしなくて良いケア」なんてケアは無いんです!!

その患者さんにとって必要なケアを、「時間があったらやる」では、ケアをするか・しないかの基準
「自分基準」
になってしまっています

①例:「時間があったら行くね」は約束にはならない

少し話がそれてしまうかもしれませんが、例えば、友達と遊ぼうと誘ったとします。
そうしたら、友達から「時間があったら行くね」と言われました。

これは「約束」できたと考えますか?
その日、その友達と遊ぶの予定としてスケジュールに入れますか?

僕だったら、「時間があったら行くね」は、約束にはなっていないので、スケジュールとしては確定させません。(でも、保留だから別の予定を入れることもできないですね…)

相手の返答次第で予定が決まる。
相手が返事をしてくれるまで自分は動けない。
予定を調整することもできない。

つまり、2人の予定なのに、行くか行かないかの主導権は「時間があったら行くね」と言った人が持っていることになります。

このように「時間があったらやる」というのは、言った側の自分主体の表現です。

医療では、ケアの主体は患者さんですよね。

自分主体の「時間があれば」ではなく、患者さん主体の「必要なケアをするのに、どうやって時間を作ろう」と考えるようにしてみてください。

ここで登場するのが「代替案」です。

「もし時間がなければ」
「もし、患者さんが起きなければ」

など、代替案を考えつつ、必要なケアをする時間を作っていきましょう。

3.まとめ

一日の目標
【患者さんに対する目標の場合】
・自分の挙げた看護問題に合わせて、それぞれの目標を書く
・一度立てた目標は、基本的に大きな修正はいらない
 
(何か大きな出来事があった時や状態変化した場合は別)
・日々の細かい修正は、患者さん本人の「前日の様子」に合わせて行う


【自分に対する目標の場合】
・自分が何を行うのか、それによって自分がどうなりたいのか書く
・できるだけ具体的に書く

行動計画
・時間を書いて時系列にする
・実施、見学などを分かりやすく記載しておく
・「もし○○だった場合」の代替案を用意しておくこと
・「時間があれば」ではなく
 「必要なケアをするのにどうやって時間を作ろう」と考える

これで今回の、「行動計画編」は終了となります。
いかがだったでしょうか?

簡単そうで、意外と奥が深い行動計画。

ちょっと面倒かもしれませんが、行動計画がしっかりできていると、効率よく実習が進みます。

看護師として現場で働いてからも、朝の段階で上手く行動計画ができて、先手を打って行動できると、とても効率よく仕事が進みます。

しかし、「なんか今日は上手く計画立てれなかったなぁ」と思っている日は、後手に回って上手くいかず、残業することも少なくありません。

朝の段階で、行動計画が上手くできてるって、こんなに重要だったんだって、働き始めてから気が付きました。

まだ学生なので、上手くできなくても良いです。
でも、上手く行動計画を立てるにはどうしたらいいか考えて、今回のポイントを意識するようにしてみてください。

慣れたら、とっても効率よくできる看護師に慣れていると思います。

みなさんの実習が、つらいものから、少しでも良い学びになり、楽しく楽なものになるように、この記事が一役買ってくれたら幸いです。

もっと、こんなことを知りたい
ここを詳しく書いてほしい
などの要望がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。

他にも、実習がつらい、記録が苦手という方のために、「事前学習の仕方」から「上手な振り返りの発表の仕方」までのポイントを書いているので、良かったら参考にしてみてください

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