トランスに重要な肩甲骨の使い方~簡単なコツで介護は楽になる~

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ここ数年、動画や本などで「肩甲骨」が、注目されるようになってきました。
「肩甲骨はがし」とかね!

「肩甲骨」が注目される理由には、スマホやパソコンなどを長時間使うことが関係していると考えられます。
長時間スマホやパソコンを使うことで、「肩甲骨」の動きが制限されたり、肩甲骨周囲の筋肉が伸びっぱなしになっり、その結果、肩や首がこってしまう。

現代病ともいえる肩こりや首のこりを解消する方法の1つとして、「肩甲骨」を動かすことが勧められるというわけですね。

そんな日常の健康にも大切な肩甲骨ですが、介護をするうえでも大切だと言われています。

僕が実際に看護師として仕事をしていく中で、「古武術介護術」というものを取り入れていました。

これは岡田慎一郎氏が提案しているもので、著書やセミナーも多く在り、僕も著書やセミナーで実際に教えていただきました。
その「古武術介護術」の中でも、肩甲骨の重要性が伝えられています。
⇩こちらに公式サイトのリンクを貼っておきます⇩        ⇩     
古武術介護の提唱者 岡田慎一郎の公式サイト Okada Shinichiro Official site (shinichiro-okada.com)

体の小さい僕は、この古武術介護術を含め、色んな技術を学んだり調べて、それを実践してきました。

そこで今回は、「肩甲骨」を使った介護を楽にする方法をまとめてみました。

在宅介護での悩みの1つ、コミュニケーションを楽にする方法は、こちらにまとめています

目次

1.肩甲骨が使えると簡単にいつも以上の力を出せる!

なぜ肩甲骨が介護をするうえで重要なのかというと、肩甲骨が使えると簡単にいつも以上の力を出せるからです。

簡単にいつもより力が出るから、「楽」と感じることができるんですね。

普段、僕たちは生活の中で、何かを持ったり、押したり・引っ張ったりする時に、に意識を向けて力を入れます。

僕(私)胸や背中も意識しているよ!

という人は少ないと思います。

つまり、「腕だけで力を発揮しようとしているということ」なんです。

肩甲骨周りには、大きい筋肉がついています。
腕の筋肉だけを使って物を持ち上げるのに比べて、その肩甲骨周りの大きい筋肉も使えれば、楽に持ち上げるようになるのは当然ですよね。

その肩甲骨周りの大きい筋肉を使うためには、肩甲骨を上手に使うことが大切になってくるということです。
普段は使っていない背中の筋肉(肩甲骨)を使えると、ビックリするくらい楽に力が出せますよ。

2.上半身の大きい筋肉を有効に使う

身体の中の大きな筋肉

1位  大腿四頭筋
2位  大臀筋 
3位  三角筋(腕) 
4位  ハムストリングス
5位 大胸筋(胸)
6位  上腕三頭筋(腕) 
7位  ヒラメ筋 
8位 広背筋(背中)
9位 僧帽筋(首〜肩〜背中)

10位 上腕二頭筋(腕) 

参考:筋肉の大きさランキングTOP15!筋トレの順番は大きい筋肉からが効果的!
    | Slope[スロープ] (slope-media.jp) より引用

これは筋肉の大きさのランキングですが、背中胸の筋肉が上位に入っています。
腕だけしか動かさないと、この大きな筋肉を上手く使えていないということです。

①腕はどこからどこまで?

ここで1つ質問です

Q.「腕」は、どこからが腕でしょうか?

この質問をすると、ほとんどの方が「肩」と答えます。

辞書などで調べてみると、「肩から手首まで」と書いてあります。
なので、その答えは正解です。

でも、実は腕の付け根は肩甲骨と胸鎖関節(鎖骨が出っ張っている部分)とも言われているんです。

正面赤丸が「胸鎖関節」 背面赤丸が「肩甲骨」

この肩甲骨と胸鎖関節から動かすことを意識すると
普段使われていない、肩甲骨周囲や胸鎖関節周囲の筋肉が使われて、「いつも以上に楽に力が出せる」ようになります。

②パンチ力にも背中の筋肉が重要

ボクシングのイラスト

僕は昔、「はじめの一歩」という漫画の影響を受けてボクシングをしていました。
見た目がひ弱だから一度も信じてもらえたことがないですがwww

ボクシングでは、背筋はパンチ力を上げるために大切だと言われています。
「はじめの一歩」の中でも、そういうシーンがあります。

「パンチ力」と聞くと、力こぶができる上腕二頭筋をイメージするんじゃないでしょうか?

力こぶを作る男性
この「力こぶ」が上腕二頭筋ですね


もちろん上腕二頭筋も大切です。
しかし、それ以上に背筋の上手な使い方がすごく重要なんです。
(体重移動とか『腰を入れる』とか他にもありますが、それはここでは置いておきます)

「ただ背中に筋肉を付ければ良い」というのではなく、「上手に使う」というのがポイントです。

脇を占めて、内側(胸側)に絞り込むようなイメージでパンチを出すと、自然と背中(肩甲骨)が広がります。

脇を占めることで
肩甲骨が外側に開き、それに伴い背筋が張る

上の図のように、脇を占めたままパンチを出そうとすると、肩甲骨が外に広がっていきます。
そうすると、背中の筋肉を多く使いながら強いパンチを出すことができます。

介護では、強いパンチを打つ必要はありませんが、このように肩甲骨の動きを意識するということが、「力を出すこと」には必要なんですね。

3.【上手くできなくても大丈夫!】動かそうと意識するだけで介護が楽になる

僕が教えている介護教室の中でも、肩甲骨の使い方を伝えてはいるんですが、文章で伝えると

できない!
分からない!

ということもあると思います。
また、使い方に慣れるまでは、難しかったり、感覚が分からないということもあります。

物事なんでもそうですが、いきなり完璧にできるようになるのは難しいですよね?

でも、意識するだけでも良いんです!!

肩甲骨や鎖骨を触れながら、いつものように腕を動かしてみてください。
たぶん、ほとんど動いていませんよね?

では次に、腕を下の図の赤丸(肩甲骨や鎖骨の付け根)から動かすように意識してみてください。

無理なく触れる所を触りながら動かしてみましょう

そうすると、さっきよりそれぞれ触ったか箇所が、より動いているんじゃないでしょうか?

これだけだと

本当に?
これだけでいいの、、、?

って思いますよね?

①なぜ意識するだけでも良いのか?

本屋さんやYouTubeなどでも筋トレの方法は、たくさん目にしますよね。

その中で「筋肉をつけたいところを意識してトレーニングをして」というアドバイスしていることがあると思います。
あれは、意識することで「意識したところに筋肉が付く」ことが理由なんです。

筋肉をつけたい部分を意識して筋トレをするのと、なんとなく筋トレするのでは、筋肉の付き方が全然違うそうです。

「人の意識」には、そういった「効果」があるんですね。

②カラーバス効果とカクテルパーティ効果を利用する

「肩甲骨の使い方」を読んでたのに、いきなり心理学!?
と思うかもしれませんが、ちょっとお付き合いください。

ここからは「意識をすることの効果」を心理学の観点から紹介していきます。


ここで紹介する心理学の用語は以下の2つです。

  • カラーバス効果
  • カクテルパーティ効果

それぞれ、「意識をすることの効果」の説明を交えて紹介していきます。

1)カラーバス効果

カラーバス効果とは、人は意識したものと関連するものに注目しやすくなる
というものです。

例えば

あの車欲しいな

と思ったら、その車が走ってるのをよく見かけるようになった!…なんてことありませんか?

このような、自分が気になったもの・興味を持ったものが、急に目に飛び込んできたり、目にする機会が急に多くなったように感じることを、カラーバス効果といいます。

2)カクテルパーティ効果

カクテルパーティ効果とは、人は自分の関心・興味のある話や言葉を聞き取ってしまうというものです。

僕は、お店の中で
「師長がさぁ」
「この間、病院に行ったんだけど~」
などの医療関係の会話がよく耳に入ってきます。

お店の内って、いろんな人が話しているのに、「看護師」に関わる会話だけが耳に入ってくるんです。
たくさんの会話の中から、選択して自分の訊きたい会話だけを拾っているんですよね。

この例の場合は無意識なんですが、自分が聞きたい会話だけ「聞き耳を立てる」と、他にも音や会話があっても、その聞きたい会話だけ聞こえてきますよね?
この「聞き耳を立てる」という状態が「意識の効果」といえます。

3)意識をすることで、優秀な脳にも頑張ってもらう

カラーバス効果とカクテルパーティ効果は、言い換えると『「興味」という意識を持ったことで、脳が自動的に、関連した情報のみを収集するように視覚・聴覚を集中させた』といえます。

つまり、人間の脳は、「意識」を向けるだけで能力を発揮してくれる優秀な器官ということです。

先に話した、「トレーニングでは筋肉をつけたい部分を意識する」というのも、意識することで、その筋肉を使うとことに脳が集中するというイメージですね。

肩甲骨や鎖骨に関しても、「腕の付け根」「肩甲骨」「意識」する。
もしくは、「ここから動かそう」「意識」することで、自然と周囲の筋肉を使えるようになるということです。

もちろん、上手に使うためには、動かす練習をしたり、動かし方を知ったりする必要はあります。
ですが、普段使っていなかった部位を使う「はじめの一歩」として、「意識」から始めても、十分効果を感じることができます。

ちなみに、「意識」に関してはこんな記事も書いているので、よかったら読んでみてください

4.最後に ~今日も介護を頑張っているあなたに~

家で介護は、24時間、365日休みがありません。

もちろん、多くのサービスがあり、手伝ってくれる人や、看てくれる所(人も)もあります。

しかし、それでも家で介護をしていくのであれば、大半の時間を家族の誰かが看なければいけません。

僕は、その「絶対に家族が看なければならない時間」を、少しでも楽にする手伝いをしたいと思っています。
その「少しでも楽になる」為に、このブログが役に立ってくれればと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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