介護を一瞬で楽にする方法:重心を意識すれば介護も腰痛も楽になる

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介護をしている中で、大きな悩みの1つが「腰痛」です。

  • ベッドから起こす時
  • 車椅子の移乗
  • トイレの介助

こんな時に、腰を痛めてしまったという人は多いでしょう。

腰を痛めてしまう原因に挙げられるのが、重心です。

地球には「重力」があり、物には「重心」があります。
地球上にいる限り、人間にも「重心」があります。

この重心を理解でき、意識することが出来ると、介護が楽になり、腰痛になるリスクが減ります。

今回は「重心」「介護における重心の使い方」について、紹介していきます。

目次

1.重心を意識するためには、地に足をつける -グラウンディング-

重心を意識するためには、しっかりと地面に足をつけることが重要です。

日本語には、「地に足をつける」という言葉があります。
ヨガなどの世界には「グラウンディング」という言葉があります。

「地に足をつける」とは、「落ち着いた考えや行動をする様子や、堅実な様子」を表した言葉です。

「グラウンディング」という言葉は、「大地とのつながりをもつことや、自分の体が地面をしっかり捉えること」を言います。
これは、精神的にも、身体的にも、足場をしっかり整える事の大切さを言っていると、僕は解釈しています。

このように、足でしっかりと地面を捉えることは、昔から大切と言われています。

反対に、「浮き足立つ」という、精神的な不安定さを表す言葉もあります。

浮き足とは、つま先足立ちのことをいい、身体の状態が不安定になることから、浮き足立つ=落ち着かない様子を表すようになったそうです。

こういった言葉が生まれるということは、足がしっかりと地についておらず、重心が安定していない不安定な状態は、精神も肉体も上手く力が発揮できないということを、昔の人は体感的に知っていたのかもしれません。

2.介護の場面でも「地に足をつける」ことが大切 -意識を上に向けると力も上に逃げていく-

僕は、身長160cmと、男性としては小柄です。
体重も40kg台とヒョロヒョロ体型でした。
(今は年齢を重ねたためか、もう少し重いですwww)

身体の使い方が下手だった僕は、自分より小さい女性を介助するのも、意外と大変でした。

身体の小さい僕は、大きな力を出そうとすると、上に意識が向いてしまいます。

車椅子移乗、車いすから降りるのを介助している図

上の図のように、力を入れようと思えば思うほど、意識が上に向かってしまいます。

自分が小さく、相手が自分よりも大きい場合、より意識は上を向きやすくなります。
ですが、自分と相手の体格は関係なく、力を出そうとすると、自然と意識は上を向きます。

「背伸び」とまではいかないまでも、つま先に体重をかけて、「意識」と一緒に、「力(身体)」も上に向かっていきます。

意識が上に向かうと、重心は高くなり、「地に足がつかない」状態になります。

この状態だと、倒れやすく、バランスを取ることにも筋力を使ってしまいます。

そのため、下半身からの力が上半身へ伝わらず、力が分散してしまうんです。

3.重心が低い方が倒れにくい -重心を低くするメリット-

長い丸太と短い丸太のイラスト

これは2本の丸太が書いてある図です。
太さは全く同じで、長さが違う2本の丸太と考えてください。

それぞれの重心は、赤い矢印のあたりです。
長い丸太に比べて、短い丸太の方が重心は低くなります。

重心が下にあればあるほど、安定していて倒れにくくなります。

上の図だと、「右の長い棒は倒れやすく、左の短い棒は倒れにくい」ということです。

人は、立ってるだけでもバランスを取り続けて、いろんな筋肉を使っています。

「安定をしている」ということは、バランスをとることに筋力を使わないでいられる。
そして、その分、「運動(動き)」に力を回すことができるということです。

この「倒れにくさ」に関しては、支持基底面といって、(簡単に言えば)足の開く幅によって変わってきます。

支持基底面については、こちらを参考にしてください。

漫画「SLUMDUNK」や「黒子のバスケ」にも登場する重心の大切さ

「SLUMDUNK」「黒子のバスケ」という有名なバスケット漫画があります。

SLUMDUNKに登場する桜木花道や、黒子のバスケに登場する火神大我も、自分より大きくパワーのある相手選手とマッチアップしたときに、「重心」が注目されたシーンがあります。

どちらもほぼ同じシチュエーションで、自分より大きい相手に「勝つ」ことを意識することで、重心を高くしてしまい、重心が高くなったことで、下半身の力を上手く使えず力負けしてしまう…。

しかしその後、相手の大きさに惑わされず、自分の重心を意識的に低くすることで、力勝負で勝つことが出来た
というシーンが描かれています。

ここでのポイントは、「相手の重心より、自分の重心を下げる」ということです。

上の例に出てきた2人のように、相手の大きさを意識して、大きな力を出そうとすると、どうしても重心が高くなってしまいます。
ようは、「地に足がついていない」状態になっているってことですね

そうすると、下半身で作った力を、上手く上半身に伝えることができなくなります。

相手の大きさは意識せず、自分の重心を相手の重心より下げることが、「楽に」力を出すコツになります。

4.自分の重心を、相手の重心より低くする

相撲、力士のイラスト

「相手の重心より自分の重心を下げる」
つまり「相手の骨盤より、自分の骨盤が低い位置にある」ということです。

先に例として挙げたSLUMDUNKも黒子のバスケも、どちらもバスケットボールを題材にした漫画ですが、
スポーツだけではなく、介護の場合も同じです。

ポイントは、介助する側の重心を、介護される側の重心よりも低くすること。

力を出したいときは、土台になる足場をしっかりと作る=足の裏で地面をしっかりと捉えて、「地に足をつけて」重心を落とすことで、下半身の力を上半身に上手に伝えることができるようになるんです。

重心は、慣れてないと感覚をつかみにくいかもしれませんが、慣れると自分の重心が浮いてる(高い)と感じたり、低くできていると感じたりできるようになります。

人間の中心部分は、大体おへその辺です。

重心は、骨盤という大きな重い骨があるので、中心から少し下がります

おへその少し下の「丹田」と言われる部分が、重心となります。

ここを意識して腰を落とすと、上手く力が出せるようになります。

5.重心の距離を意識する

ここまでは、重心の上下の位置高さの話をしてきました。
次は距離の話です。

まずは「おんぶ」「だっこ」をイメージしてください。
(実際にやってみてもらってもいいです)

おんぶとだっこのイラスト

実際にやってみると分かりますが、だっこに比べておんぶの方が、楽に相手を持ち上げられると思います。

①重心の高さ

では次に、それぞれの重心の高さを見てみましょう。

おんぶとだっこの重心の違いのイラスト

重心の高さは、どちらも持ち上げる方(白い人の方)が「下」になってます。

②重心の距離

次に、重心の距離を見てみると

重心の距離が狭いおんぶと、重心の距離が狭いだっこの違いのイラスト

重心の距離を見てみると、相手の重心との距離が、おんぶは短く、抱っこは広い

この差が、重さを感じる差です。

介護の場面でも「相手より重心を低くする」というポイントに加え、「相手の重心と、自分の重心を近づける」ということを意識すると、より「楽に」介護をすることができます。

6.腰痛予防にもなる

ここまで解説ように、「重心」の位置を意識することで、「地に足をつけた」体の使い方ができ、楽に力を出すことができます。

重心の高さと距離を意識すると、腰痛の予防にもなります。

ここで注意すべきポイントは、腰を曲げないことです。

物を持ち上げようとすると、腰から曲げてしまうことがあります。
しかし、人の腰には関節はありません。

でも、関節がないのに、腰から曲げてしまうんです。
そして、それによって腰に負担がかかり、腰痛を起こすということです。

腰が、「てこの原理」の支点になって負担が掛かってしまうんですね。

腰からは曲げない意識を持ちつつ、相手と自分の重心の位置を意識してみましょう。

7.まとめ

毎日やっている看護師や、介護士でも腰痛になるほど、介護の体の使い方は難しいです。

重心は、意識するだけでかなり負担が変わってきます。

普段意識しない分、少し違和感があるかもしれませんが、手軽にできるものなので、試してみてください。

「介護が負担」と感じている方が、この記事で、少しでも介護が楽と感じてもらえれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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