



※この記事の冒頭では、母性の実習にどう臨んだらいいのか悩む男子看護学生の気持ちを、4枚のリード漫画で表現しています。
母性看護学実習は、多くの男子看護学生にとって最もやりづらいと感じる実習のひとつではないでしょうか。
「待機の時間が多く、何をしていいか分からない」
「女子学生と比べて母親と関わる機会が少なく、信頼関係を築きにくい」
「母性実習では自分は役に立てていないのではと不安になる」
そんな悩みを抱えている男子看護学生は少なくありません。
私も学生時代、母性看護学実習中「男子看護学生ができることがない」ことに、すごく困りました。
どうしたら良いんだろうって悩んでいたら、あることに気が付いたんです!
今回は私が気が付いた、男子看護学生だからこそできる、母性看護学実習攻略法をお伝えしていきますね。
母性看護学実習は
“男子だから不利”なのではなく
“男子だからこそできる援助”がある実習です。
この記事では、男子看護学生が母性実習で満点評価を狙えるように
・「信頼関係の築き方」
・「実習中にできること」
・「学ぶべきポイント」
を具体的に解説していきます。

【この記事を書いた人】
・看護師(臨床経験10年以上)/家族ケア専門士として活動
・国立大学非常勤講師(高齢者看護学実習指導教員)
・グリーフケア専門士取得
・カウンセラー
・集中治療室・救急外来から在宅医療・介護施設まで幅広い現場を経験。
・韮崎市からの依頼を受け、年間60件以上の介護認定調査を実施。

男子看護学生と出産後のお母さんに共通する「見えない不安」
出産後の母親は、生まれたばかりの赤ちゃんに常に会えるわけではありません。
「赤ちゃんは今どうしているんだろう」
「泣いていないかな」
「元気に過ごしているかな」
そんな“見えない時間の不安”を抱えています。
ここでよく考えてみてください。
あなたも同じような“不安”を抱えていませんか?
男子看護学生は、母性実習で母親と同じような「不安」を体験をします。

・分娩や授乳の場面で見学が制限される
・待機時間が多く、情報が得られにくい
・「自分は何をすればいいんだろう」と不安を感じる
つまり、母性実習における男子看護学生の不安と、母親の不安はよく似ているのです。
この共通点が理解できると、母親への共感力が深まり、自然と寄り添える看護につながります。
男子看護学生だからこそできる不安の解消
母親が最も望んでいるのは「赤ちゃんが今どうしているかを知ること」です。
男子看護学生は母性実習で医学的な説明を行う立場ではありませんが、小さな観察や声かけで母親を安心させることができます。
安心を与える情報の例
- 「赤ちゃん、さっきぐっすり眠っていました」
- 「ミルクを飲んだあと、ニコって笑っていましたよ」
- 「看護師さんがオムツを替えたら、すぐに落ち着いて眠りました」
こうした観察結果は、母親が見られなかった時間を埋める大切な情報です。
また「この後〇〇の検査がありますよ」と予定を伝えるだけでも、不安が和らぎます。
母性実習では、援助やケアに集中している女子看護学生よりも、広く周りが見れる男子看護学生が“安心を届ける存在”になれるのです。
不安を和らげてくれる人は“信頼できる人”
人は、不安なときに安心を与えてくれる相手を強く信頼します。
母性実習においても同じことが言えます。
母親は「自分が知りたいと思っていたこと」を学生から聞けただけでも、「この学生は信頼できる」と感じます。
短い関わりでも、不安を解消できれば信頼は築けるのです。
男子看護学生は女子看護学生のように全てのケアに立ち会えないこともあります。
ですが、だからこそ「限られた関わりの中で信頼を築く力」が評価されます。
自分の気づきをカンファレンスで共有しよう
母性実習では、カンファレンスでの発表も評価の対象になります。
このとき重要なのは、男子看護学生だからこそ得られた気づきを共有することです。


共有すべきポイント
- 短い関わりの中でどう信頼を築けたのか
- 母親が抱えていた不安と、それを自分の不安と重ねて理解した経験
- 女子学生には見えにくい「母親の心理面の揺らぎ」
こうした視点は、チーム全体の学びを深めます。
男子看護学生の視点がチーム医療を豊かにするのです。
(内部リンク候補:
男子看護学生が母性実習で実践すべき具体的な行動例
では、実際に男子看護学生は母性実習でどんな行動をすれば良いのでしょうか。
以下は、実習中に高評価につながる行動の具体例です。
① 待機中にできること
- 赤ちゃんの排泄・睡眠・授乳時間を観察して記録する
- 赤ちゃんの表情や行動を記録しておく
- 看護師が行っている援助の意図を考えてノートにまとめる
- お母さんが気にしていそうな点、不安な点がないかお母さんの立場に立って想像する
② 母親との信頼関係を深める工夫
- 声をかけるときは、安心を与える一言を必ず添える
- 「赤ちゃん、さっきとても気持ちよさそうに落ち着いて寝ていましたよ」など、母親が離れている時間の新生児の様子を伝える
- 短い関わりでも、笑顔とアイコンタクトを意識する
③ チームへの貢献
- 女子看護学生に「母親が知りたがっている情報」や「赤ちゃんの情報を伝えた時の母親の反応」を共有し、援助の一助にする
- 自分の不安体験と母親の心理の共通点を理解につなげ、女子看護学生に共有して新たな視点を提供する
- グループワークで「男子看護学生だから見えたこと」を言葉にする
👉 これらの行動を積み重ねることで、母性看護学実習での評価は格段に高まります。
男子看護学生が母性実習で学ぶ3つのポイント
母性実習を通じて男子看護学生が学ぶべきことは、技術よりも「姿勢」にあります。
- 共感力
自分の不安を母親の不安に重ねることで、共感的理解が深まる。 - 小さなケアの大きな効果
「赤ちゃんは落ち着いていましたよ」といった一言が、母親にとって大きな安心となる。 - チーム医療への貢献
男子看護学生にしか見えない視点を共有することで、チーム全体の学びが深まり、母子へのケアの質が高まる。
👉 母性看護学実習は「できないことが多い」実習ではなく、「男子看護学生だからこそ学べる実習」なのです。
まとめ:男子だからこそ得られる母性看護学実習の学び
母性看護学実習は、多くの男子看護学生にとって不安ややりにくさを感じる実習です。
しかし、それは裏を返せば「男子看護学生だからこそ得られる学びがある実習」でもあります。
- 母親と「見えない不安」を共有できる
- 小さな情報提供で大きな安心を与えられる
- チームに新しい視点を提供できる
これらを実践すれば、母性実習の評価は大きく上がり、満点評価も夢ではありません。
👉 男子看護学生のあなたに伝えたいのは、**「母性実習は不利ではなく特別なチャンス」**ということ。
不安を力に変えて、自信を持って臨んでください。


FAQ(よくある質問)
Q1:男子看護学生は母性実習で評価されにくいのでは?
A:関われる時間は少なくても、観察や情報提供、共感的な声かけをすれば十分に評価されます。
Q2:待機中に時間を無駄にしてしまいます。どうしたらいいですか?
A:排泄や睡眠の観察をまとめたり、母親が知りたい情報を想像して準備することが評価につながります。
Q3:母性看護学実習に不安しかありません。
A:不安を持つのは当然です。その不安を母親の心理に重ね合わせることで、信頼を築くチャンスに変えられます。


このブログは、看護師(臨床経験10年以上)、家族ケア専門士が書いています
集中治療室・救急外来・内科・外科・整形外科・訪問看護・特別養護老人ホーム・デイサービスなど、幅広い医療・介護現場を経験
介護認定の認定調査員として、韮崎市からの依頼を受け、年間60件以上の要介護認定調査を行い、介護制度と在宅介護の現場にも精通
国立大学非常勤講師(高齢者看護学実習指導教員)
心理学・カウンセリングを15年以上学び、現在はカウンセラーとしても活動
【資格・実績】
・ 看護師
・家族ケア専門士
・DMAT隊員
・グリーフケア専門士
・認定調査員(年60件訪問)
・ハンドケアセラピスト
・アロマテラピー検定1級
・ヒューマンギルドにてアドラー心理学・カウンセラー養成講座修了
・ユマニチュード基礎講座修了
「医学的知識 × 心理学的支援 × リラクゼーション」を組み合わせて
介護をするご家族の身体と心を支えるための活動をしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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