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関連図。
学生時代、苦手ではなかったけど
めんどくさくて、嫌い
とは思っていました。
でも、今になって思うと、関連図って、とても大事だったと思います。
何が大事かって、臨床に出てから患者さんと関わっていくと、1つを見れば良いわけではなく(もちろん、学生の時もそうなんですけどね)、身体も広く看なければいけない。
精神面、社会面なども、より多くのものを看なければならないことを痛感することがあります。
いろんなものが、いろんなところに繋がって来てくるんですよね。
疾患も、特に今は高齢化により、入院患者さんも高齢化しているので、「既往」が多い。
例えば、「大腿骨頚部骨折で入院してきたのに、心不全が悪化して、循環器の治療がメインになる」なんてこともあります。
幅広く看て、観察したことと、知識を繋げることを、日々行っていかなければなりません。
この知識と観察したことや情報と情報を「繋げる」という練習に、この関連図は本当に適していた。
…と、今更ながら思います。
学生さんの中には、僕と同じように
関連図が嫌い
関連図は苦手
っていう方も多いと思います。
ですが、そのまま「嫌い」「苦手」にしておくのは、すごくもったいない!
ということで、今回は「関連図」のポイントについて、紹介していきます。
1.アセスメントした#問題点は全て関連図に反映される
まず最初に伝えておきたいことは、アセスメントで出てきた問題は、全て関連図に反映されてなければならないということです。
よく「アセスメントはアセスメント。関連図は関連図。」という感じに、バラバラに作業をしていて、問題としてアセスメントに出てきているのに関連図に書いてない。
逆に、関連図で関係性が示されている、もしくは問題として書いてあるのにアセスメント用紙に書いてないという記録を見かけます。
アセスメントしてないのに関連図で問題としてあることも、アセスメントで問題として挙がってるのに関連図で書いてないことも、客観的に見れば変ですよね?
でも、変と分かっていても、バラバラに作業していると、こういった問題が起こってしまいます。
こういった問題を起こさず、また
は!? ここと、ここがどう繋がるの!?
なんてプレッシャーを、学生さんたちがが掛けられないように、関連図のポイントをまとめていきます。
2.関連図を書くための3つのポイント
関連図を書くためのポイントは
- 関連図とアセスメントは同時進行する
- 「問題」には、相手が見たら分かる「理由」を付ける
- 想像を膨らませる
以上の3つです
それでは、1つ1つ解説していきますね。
①関連図とアセスメントは並行して(一緒に)書こう
関連図を書いていると
ここと、ここって関係あるかも!
と気が付くことがあります。
このように、アセスメントを文章として書いているときには気付かなかったけど、図にすることで関連性が見えてくることがあります。
こういった、文章を書いてる時には気が付かない所に、視覚的に気が付けることが、関連図の「メリット」であり、わざわざ面倒な関連図を書く「意味・理由」です。
でも、せっかく気付いても、別々に作っていると書き忘れてしまうことも多いです。
その気付きを
- すぐにアセスメントに戻って書き足す
- アセスメントした所を関連図にする
この2つを繰り返して、「アセスメントできているのに書けてないなんてもったいない」を無くしましょう。
②「顕在的な問題点」「潜在的な問題点」に「理由」を付け足す
関連図に、患者の基本情報を書いたら、次は問題点を書いていきますよね。
患者の問題には「顕在的な問題点」と「潜在的な問題点」があります。
今、出現している症状や問題は「顕在的な問題点」。
特徴的ではあるが今はない症状や問題は「潜在的な問題点」。
これらを、それぞれ、全て関連図に書き出します。
事前学習のメモ、この「顕在的な問題点」・「潜在的な問題点」については、別記事の「事前学習」のところで触れています。
実習が始まり患者情報を貰った時点で「顕在的な問題点」「潜在的な問題点」をある程度、抽出できるため、それを関連図に書いていくということです。
詳しくは、下のリンクから「事前学習の仕方」をご覧ください
また、実習の中で見られた(自分自身の目で確認できた)症状も、ここに「顕在的な問題点」として、書き加えていきます。(もしくは潜在的な問題から顕在的な問題に書き直す)
しかし、これだけだと関連図は
こんな感じの、「うすい」関連図になってしまいます。
これでは、教員や指導者さんに
85歳の人って、みんな心不全なの?
心不全になるこの人だけの理由があるよね?
心不全が転倒ってどういうこと?根拠は?
…とツッコまれてしまうでしょう。
自分の頭の中では、それぞれ理由や根拠があって、分かっていて繋げている。
でも。他の人が見たら「何で?」と、ツッコミたくなる所が出てきてしまいます。
※実際にこういった「自分の中で繋がってるけど相手に伝わらない関連図」になってる人は多いです
そのため、次に「理由・根拠」について考えていきましょう。
上の関連図のように、それぞれの情報の間に、その「理由」となる検査データや症状など、細かい情報を追加していきます。
※上の関連図は簡単に想像で書いているので、 もっとたくさんの情報入れることができると思います
例えばさっきは、「85歳➡心不全➡浮腫➡転倒」となっていました。
ここに「85歳➡心不全➡浮腫➡足底の感覚低下➡立位不安定➡転倒」と赤字の部分を付け足してみました。
すると、さっきあった「なんで浮腫になると転倒するの?」という疑問が説明できる図になったのが、お分かりいただけたと思います。
このように、それぞれの問題点に対して理由を付け足していくと、誰が見ても関係性が見やすい関連図になっていきます。
③1つの言葉からたくさん想像していこう
次に、大切なことは「1つの言葉から想像を膨らましていくこと」です。
例えば、問題は『筋力低下』であったらとします。
腹筋や骨盤底筋群の筋力低下したら、排泄動作ってどうだろう
というように、「その人に生活上の困ったことはないだろうか?」「あの状態で一人で家で過ごしていたらどんな困ったことがあるだろう」考えてみます。
そこに「今の問題」があれば、「顕在的問題」になります。
もし、今の問題として無ければ「このまま、心不全による呼吸苦が続き、臥床時間が長ければいずれ問題になってくるかもしれない」といように「潜在的問題」として繋がってきます。
さっきの患者さんに対して
筋力低下したまま家に帰ったらどうなる?
と考えたら、自宅の構造(2階は生活圏内なのか、お風呂やトイレの構造や場所など)や、家族は日中自宅にいるのか、誰と生活しているのか、介護に協力的か…などの情報にも繋がっていきます。
このように、本人だけではなく、家族や環境、他にも精神的なことにも目を向けて、たくさん想像していきます。
それぞれのワードが、いろんなところに繋がってきます。
思わぬところに繋がりが見つかることもあります。
1つのワードから、いろんな想像をして、いろんな疑問を持ってみてください。
それを関連図として書いていけば、「個別性のある」関連図になっていきます。
3.まとめ
今回のまとめです。
・関連図はアセスメントと同時進行する
・アセスメントと関連図は、それぞれ気が付いたことは交互に書き足していく
・事前学習で出てきていた「顕在的問題」「潜在的問題」を書き出す
・問題の「理由」となるデータを書き足す
・1つのワードに注目して、いろんなことを想像してみる
これで今回の「関連図編」は終了となります。
いかがだったでしょうか?
他のところで解説していることも多く、重複しないようにしたため、その分、今回の関連図は他のに比べて、少しサラッとした内容になっているかもしれません。
関連図で大事なのは「ここ意外と繋がるかもしれない」という想像力です。
ちょっと強引でも良いので、「繋がるかもしれない」という想像をどんどん膨らませていきましょう。
そうすると
あれ?じゃあ、こんな問題点もあるかもしれない
と、いろんなことが見えてきます。
苦手でめんどくさい関連図ですが、自分の能力アップには、かなり役立ってくれるので、うまく活用していきましょう。
もっと、こんなことを知りたい
ここを詳しく書いてほしい
などの要望がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。
他にも。実習がつらい、記録が苦手という方のために、「事前学習の仕方」から「上手な振り返りの発表の仕方」までのポイントを書いているので、良かったら参考にしてみてください
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