実習の振り返りやまとめが上手くなるポイント ~明日の実習がつらいあなたへ~

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どの学校にも、実習最終日に「実習で学んだこと」を発表する時間があると思います。

実習担当の先生の前
病棟の担当看護師の前
学校ごと、もしくは各領域ごとに違うかもしれませんが、学んだことを発表します。

実習を担当していた指導教員として、振り返り・まとめの発表を聞いていると

実習で良い学びができたんだなぁ
実習の中で良い所に気付いてくれたんだなぁ

と感じることがとても多いです。

でも反対に

実習中、あんなに良い所に気付いてたのに…
良い看護してたのに、なんでそれ発表しないの…

と感じることも多いです。

教員や指導者は、学生の全ての状況を見ることはできません

上手く振り返り・まとめができるということは、教員や指導者が見れなかった時に「自分が何を考え看護をしていたのか」を伝えることでもあります。

せっかく頑張って乗り越えた実習なのに、その頑張りを教員や指導者が知らないまま、正しく評価してもらえないのは悔しいですよ?

そこで今回は、「実習の振り返り・まとめ」のポイントを紹介していきます。

他にも
実習が辛い・記録が苦手という方のために、実習の各ポイントを書いているので、こちらの記事も併せてどうぞ

目次

1.実習のまとめのに大切なポイントは3つ

実習のまとめに大切なポイントは、次の3つになります。

実習のまとめのメインは「自分が学んだこと」
①自分の想い②患者さんの変化③「学び」をどう活かしていきたいかを書く
学んだこと以外は簡潔に! 重要な部分はルール化を!

それぞれ解説していきます。

①実習のまとめ・振り返りのポイント1「自分が何を学んだのかを書く

まとめ・振り返りで一番大切ことは、実習の中で自分が何を学んだのかです。

  • どんな看護問題を挙げたのか
  • どんな看護計画を立てて、どんなケアをしたのか

よりも

  • なぜ、その看護問題を挙げたのか
  • なぜ、そのケアを行ったのか
  • そこにどんな想いがあったのか
    そこから何を感じたのか・考えたのか

ここが「自分が学んだこと」であり、重要なポイントです

しかし中には、実習のまとめを「A4用紙1枚以内でまとめる」のように、枚数を制限している学校や、枚数制限に加えて、患者さんの情報から看護問題までを書く学校もあります

書くこと多いのにA4用紙1枚にまとめろって、無理言うよね

枚数が制限されている中で、学んだことだけではなく、アセスメントや実施したケアなども書かなければならない。
重要なところが多すぎて「どこが大事なのか、何を書けばよいのか」、分からなくなりますよね?

実習中、せっかく良い学びや、気づきがあっても

  • 入院経過を細かく書きすぎて長くなってしまう
  • 自分が実施したケア(行った事実のみ)だけを書いて終わってしまう
  • その結果、一番大事な「学び」や「気づき」の部分が短くなってしまう

せっかく頑張った実習のまとめが、これじゃもったいない!
頑張りが先生や指導者に伝わらないなんてもったいない!

そんな「もったいないまとめ」にならないように、自分の成長・気づきをたくさん伝えていきましょう

ポイント

実習の振り返り・まとめ」は
自分が実習で学んだことを中心に書く
看護問題に挙げた理由、ケアをした理由(なぜ行ったのか)を書く
実習の中での自分の想いや、考えたことを書く

②実習のまとめ・振り返りのポイント2「自分の想い・患者の変化・今後どう活かすかを書く」

看護学生

実習のまとめに「自分が学んだこと」を書くのが大事なのは分かった。
でも、そもそも「自分が学んだこと」って何を書けばいいのか分からない

そんな疑問もあるでしょう。

「自分が学んだこと」を構成する要素は

  • 自分の想い
  • 患者の変化
  • 今後どう活かすか

以上の3つに分けることができます。

この章では、実習指導者として「学んだこと」の中に入れてほしいことについて、上の3つの構成要素に合わせたポイントを、以下のようにまとめてみました。

自分の想い
自分の実施したケアで見られた「患者さんの変化」
 仮に変化が見られなかったとしたら、それはなぜか?
 何をどう改善したら変化が見られただろうか(予測)or このまま続けていたら変化は見られただろうか(可能性)
 今後、この学びをどう活かしていきたいのか

※これを全部書くと、すごく長くなってしまうので、 こういった要素を1つでも入れて書くのが良いと思ってください

それぞれ詳しく解説していきます。

1)「自分の想い」を書く

「自分の想い」は、実習の中で自分が考えたことや、自分が感じたことを、そのまま書いてもらえれば大丈夫です。

実習中に、自分が「何を見て」「何を思ったのか」
この部分を、できるだけ具体的に書いてください。

けっこう、この想いを具体的に書かずにサラッと書いてしまう、もしくは全く書いていない人が目立ちます。

ですが、評価する側からすると、ここは大きいポイントの1つになるので、どんな場面から、何を思ったのか・考えたのかを具体的に書くと良いです。

評価する人も人間です。(当たり前ですがwww)

そういった「想い」が理解できると、心が動きます。

心が動かせるということは、それは「人に伝わる良いまとめ方ができている」ということですね。

ポイント

「自分の想い」とは「何を見て、何を思ったか」

2)「実施したケアの中で見る事のできた患者さんの変化」を書く

ここで言う「患者さんの変化」とは、病態的なモノだけでなく、自分の関わりで起きた全ての変化のことです。

  • 会話が増えた
  • 活動的になった
  • 笑顔が見られるようになった
  • 落ち着いている時間が増えた

このような精神的なモノや生活に関わる部分の変化も、とても大事な変化になります。

また
上のポイントにも書きましたが、ケアをしたけど変化が見られなかった場合は

  1. 期間が短かったから
  2. ケアが患者さんに合っていなかったから

この2つの理由が考えられます。

①「期間が短かった」場合は、継続していればどんな変化が見られたのか予測を書く

②「患者さんに合っていなかった」場合は、ケアをどう変えたら変化が見られただろうかという予測を書く

このように書くと良いでしょう。

ポイント

  • 「患者さんの変化」とは、 病態などの身体的だけでなく、精神・社会的な変化も含める「全ての変化」のこと
  • ・ケアの中で変化が見られない場合は、「このまま続けていたら」「もし関わりを変えたら」という視点を持つ

3)「学んだことを今後どう活かしていきたいか」を書く

実習を通して学んだことを、次の実習や看護師となって臨床に出てから

  • どう活かしていきたいと思っているか
  • どう活かしていけると思っているか

この視点で実習を振り返えると、とても良い「実習のまとめ」を書くことができます。

実習の中で新たに生まれた視点
成功したことだけでなく、失敗の中から学んだこと
今回の経験がどんな場面で使えか

このような、「今回の学びを今後どう活かしていくか」という文章で振り返り・まとめを最後を締めくくると、今だけではなく、今後も見据えた広い視野を身に付けられるし、文章も綺麗にまとまりやすくなります

ポイント

「新たに生まれた視点」 「成功や失敗から学んだこと」などを、次にどう繋げるか、どんな場面で使えるかという視点で書く
「学びをどう活かしていくか」は、振り返り・まとめの最後に書く

③実習のまとめ・振り返りのポイント3自分ルールを作って簡潔に書く」

実習の振り返り・まとめは、先に紹介した「自分の想い」「患者さんの変化」「今後どう活かしていくか」以外は簡潔に書くようにしましょう

そして
重要となる部分には「自分ルール」を作っておきましょう

入院経過を簡潔に短く書くとき時に

どこの文章を削ればいいか分からない
削りすぎて大事な情報が伝わらない

と思うことってありますよね?

文章を簡潔にするためには、アセスメントのポイントと同様に「ルール」を決めると書きやすくなりす

患者さんにとっての重要な情報はたくさんあります。
しかし、患者さんによって「重要」となってくる情報は大きく違います。
だから困ってしまうんですよね

  • 入院の原因と入院直後
  • 治療後の現状
  • 今ある問題
  • 継続しているケア(継続していきたいケア)
  • ADL
  • キーパーソンや家族関係

上に書いたキーワードは、ほとんどの患者さんに共通する重要な情報です。

上のキーワードを含めて〇〇を書いて、次に▲▲を書いて…と順番に書いていく

と、このように自分の中でルールを作ると、重要な情報を押さえてつつ、簡潔に書くことができます。

では、情報がたくさんある中、どれを重要な情報と判断すれば良いのでしょうか?

それは「この患者さんのことを知らない人に、一番伝えたい情報は何か?」という視点を持つことです。
※これは以前書いた「SOAPの目的」に似ています

この「一番伝えたいこと」とは

看護を継続していくために
・知っておいてほしいこと
・観察し続けてほしいこと
・ケアし続けてほしいこと

など、これらが「重要な情報」です。

こんなの、書いてあたりまえのことじゃん!

と、思うかもしれませんが、意外と書かれていないことも多い情報なんです。

自分が思う「患者さんを知るために重要な情報」を外さずに書いてください。
それ以外の部分は、かなり大胆に削っても良いです。

ポイント

・「自分の想い」「患者さんの変化」「今後どう活かしていくか」以外は簡潔に書く
・患者さんの「どの情報」を「どんな順番」で書くか自分ルールを作っておく
・振り返り・まとめで重要な情報とは、看護を継続するために必要な情報のこと

現場に出てからは、「サマリー」という入院経過を簡潔にまとめたものを書きます。

サマリーを書くためには、重要な情報を簡潔にまとめる能力が必要になります。

看護師になってからも重要な能力・技術になるので、この章のポイントを意識できるようにしておきましょう。

2.まとめ

実習の振り返り・まとめのポイントは

・実習のまとめのメインは、「患者さんの入院経過」ではなく「実習から学んだこと」
・自分の想いは「どこから、何を感じて、どう活かしていきたいのか」
「自分が関わることで起こった」患者さんの変化を書く
  ※「笑顔が増えた」などの小さい変化でもOK
・変化が見られなかった時も今後の改善方法や変化の可能性を書く
・上手くまとめを書くために、大事なキーワードを考え、書く順番を決めるなど「ルール」を作る
「患者さんのことを知らない人に一番伝えたいことは何か」という視点で書く

今回の「実習のまとめ編」は終了となりますが、いかがだったでしょうか?

  • もっとこんなことを知りたい
  • ここを詳しく書いてほしい

などの要望がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。

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