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「生きづらい」
そう感じて毎日を過ごしているHSPの人は、多いのではないでしょうか。
僕も、ずっと生きづらさを感じていたHSPの内の1人です。
ですが
看護師として、カウンセラーとして、多くの悩みを聴いて一緒に解決をして、自分自身もたくさん悩みぬいてきた中で、「生きづらい」と感じる原因や、「生きづらい」を感じにくくなる考え方が見えてきました。
今回は、ネガティブなHSPの人に向けて
- 生きづらいと感じる理由
- 自分の短所への考え方
- 人間関係の中の「苦手意識」
について、まとめてみました。
1.HSPが生きづらいと感じる理由
HSPの人は、生きづらさを感じたり、生きづらいといわれたりする機会が多いですよね。
自分を大切にする方法については、こちらの記事にまとめてあります。
HSPの生きづらいと感じる理由には
この3つが考えられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①世の中はマイノリティに合わせてできていない
世の中は
- マジョリティ(多数派)
- マイノリティ(少数派)
に分けることができます。
特に日本は民主主義で、選挙でも学校教育の中でも「多数決」を日常的に使っているため、マジョリティとマイノリティという考え方や、多数派の意見を優先するという生活に馴れているのかもしれません。
知らず知らずのうちに、マジョリティ(多数派)の中で生きているということは、実は日常生活の中にたくさんあります。
例えば
電車に乗る時のSuicaやPASMOなどの交通系ICカード
改札を通るときにタッチするのは右側
ドアノブも右側
自動販売機のコイン投入口も右側
日本人は右利きの人数の方が多いため、右利きに合わせて様々なルールが作られています。
このように、マジョリティ(多数派)に合わせて世の中のルールや仕組みが作られているので、マイノリティであるHSPは「生きづらい」と感じやすいんです。
1)HSPは心の左利き
僕は
HSPは心の左利き
と思うようにしています。
左利きと同じように、マイノリティ(少数派)であるHSPに合わせて世の中はできていない。
だから、どうしても多くのことに「合わせて生きていく」必要がある。
「HSPは心の左利き」と思うことで、自分はマイノリティ(少数派)であると自覚ができます。
そして、世の中はマイノリティ(少数派)である自分に合わせて、できていないことを自覚することができます。
「なぜ生きづらいのか」が分からなかった時よりも、「自分に合ってないから」と生きづらさの理由が分かってからの方が、気持ちが楽になり
じゃあ、自分が合わせにいけばいいか
と思えることが増えました。
2)普段使わない部分を意識して慣れることも必要
左利きの人は日常生活の中で不便さは感じても
生きづらい
と感じることは少ないのではないでしょうか?
もちろん「生きづらい」と感じない理由には、右利きと左利きの違いだけでは、生きづらさを感じるほどの差がないということもあります。
ですが、それ以外にも「慣れ」というのもあります
小さい頃から、右利きに合わせて作られた社会に適応していかなければならなかった左利きは、生きてきた年数分だけの「慣れ」があります。
また、場面に応じて右手を使い、利き手ではない右を使うことへの「慣れ」もあるでしょう。
これと同じように、HSPの人も場面に応じて
・意識的に深く考えないようにする
・反応しないように意識してみる
こういった普段と違うことに慣れていくのも、生きづらさを感じなくなる1つの方法です。
しかし、これには注意点があります。
HSPはあくまで気質であるため、深く思考することも、刺激を受け取りやすく反応しやすいことも変えることは困難です。
また、HSPの気質自体が悪いことではないので、無理に変える必要もありません。
慣れることで楽になる可能性はありますが、無理することやストレスを抱えてまで頑張ることではないので、その点は注意してください。
「自分が楽になるためのひとつの方法」の参考にしていただければと思います。
②HSPは頭の回転が遅いといわれるのは、集中して深い思考をするから
HSPは集中して深く思考する分、思考の時間が長くなります。
そのため、HSPの人の中には
やることが遅い!
頭の回転が遅い!
と言われて、傷ついたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
また、そう言われた経験から
自分は頭の回転が遅いんだ
と、自分を過少評価している人も少なくないでしょう。
1)実は頭の回転は速く、作業時間も遅くはないことの方が多い
HSPの人は、頭の回転に関しては速いことの方が多いです。
しかし
頭の回転は速くても、考える量が多く深く考えるため、考える時間が増えてしまい「遅い」と勘違いされてしまいます。
「やることが遅い」と言われるのは、集中して深く思考し、多くの可能性を考えているから、動き始めるのに時間が掛かることが理由です。
しかし
深く思考して頭の中で準備している分、スムーズに作業ができるため、作業全体で見ると比較的速いことが多いです。
2)HSPの長所は思考の速さよりも深さにある
個人的には、HSPの思考の深さは大きな長所の1つだと考えています。
仕事では、「速さ」が評価されることも多いですが、速ければ良いというものではありません。
作業が速い人がたくさんいることが、良い組織であるとも限りません。
仕事が速い人もいて、深く考えてよいアイデアを出してくれたり、リスクを予測してくれたりする人もいる。
様々な能力を持っている人が集まり、それぞれの能力を上手く発揮することで相乗効果を発揮する。
そんな組織が「良い組織」です。
組織に所属するうえで、「速さ」や「効率」も大切です。
ですが、自分の能力を理解して、組織に貢献することも同じくらい大切です。
自分の能力を理解して、自分が貢献できるところでしっかり貢献する。
速さや効率よりも、個人的にはこっちの方が大切だと思います。
自分は頭の回転が遅いと悩んでいる人は、まずは自分の思考の深さを大きな長所と自覚してみましょう!
HSPは自分のことを、「キャパが小さい」と悩むこともあります。
そんな短所も、長所に考えることもできます。
③0か100か、そこまで突き詰めて考える人の方が少ない(白黒思考)
HSPは、その深い思考の影響で、物事を突き詰めて考える傾向があります。
その結果、0か100か思考、白黒思考になりがちです。
世間一般では、この真ん中がない「0か100か思考」「白黒思考」は、あまり良いものではないといわれます。
しかし
この思考が悪いというわけではなく、使い方と使う場面の問題なんです
常に、0か100かで考えることは
・深く考えている時間が長く疲れが溜まりやすい
・反対意見や曖昧な意見を許せなくなる
このような短所があり、その結果、生きづらさを感じてしまいます。
HSPは、気質上「0か100か思考」をしやすい自分を認めつつ、必要な場面で「0か100か思考」を使っていくように意識することで、ストレスをコントロールすることができます。
2.長所と短所は表裏一体
ここまで、HSPが生きづらさを感じる理由を解説する中で、HSPの特性の長所と短所の説明を交えてきました。
同じ「深い思考」でも、見方や見る場面によって長所にもなり短所にもなることが、分かっていただけたかと思います。
一人反省会をしがちなHSPは、自分の短所を見つけるのが得意な人も少なくありません。
しかし
その見つけた短所は、実は長所かもしれないんです。
ここからは、そんな長所と短所の関係性について解説していきます。
①自分の短所は単なる思い込みで、実は長所かもしれない
長所と短所は表裏一体の関係で、受け取る人や、受け取る状況によって、すぐに変化をしてしまう曖昧なものです。
自分では長所だと思っていたところが、人から注意を受けるポイントになってしまったり、反対に短所だと思っていたところが褒められるポイントになったりします。
例えば
癖毛だからサラサラストレートの髪がうらやましい
と思う人もいれば
猫っ毛で髪の毛ぺったんこになるから、パーマかけてる
と、癖毛をうらやむ人もいます。
それぞれ、本人にとってはコンプレックスでも、人から見たらうらやましく思える長所なんです。
今、自分で「短所」と思っているところも、実は人から見たら「うらやましい長所」かもしれません。
②同じモノでも「見る場所」が変わると「見え方」が変わる
例えば恋愛で
私の彼は、紳士的でとっても素敵なの
と言っていた女性が
誰にでも優しく八方美人なところが不安になる…
なんて理由でケンカになる、もしくは別れてしまうなんてことがありますよね。
これって、彼が変わってしまったのでしょうか?
そういう場合もあるかもしれませんが、大半の場合は変わったのは彼ではなく、彼女の見方です。
同じ特徴を、違う見方で見るようになり、評価が変わってしまったということです。
1)心理学者ピアジェとインヘルダーによる「三ツ山の課題」
突然ですが、上の画像の中に山はいくつ見えますか?
…
…
…
…
答えは3つです
これは、子どもの空間認知能力の発達を調べるために、心理学者のピアジェとインヘルダー(Piaget,J. & Inhelder,B.,1948)が考案した「三ツ山の課題」というものです。
3つの違う特徴を持った山の模型を提示して、それぞれ違う位置からの山の見え方を子どもに問うものです。
ある場所からは山が1つしか見えない。
別の角度から見ると山が2つ、3つ見える。
また、山と山の間に村があるのが分かります。
この「三ツ山の課題」は、子どもが1つの場所からでは見えないこともあるという視点を持てるか、空間的な認識の発達がどこまで進んでいるのかを把握することができるのです。
2)長所と短所を見る時は「別の角度からの視点」が重要
この三ツ山の課題は、子どもの空間認識の発達を調べるためのものといいましたが、この「別の角度から物事を考える」という視点は、長所や短所を見る際にとても有効な視点です。
考えれば考えるほど、人の視野というものは狭くなっていきます。
特に、ネガティブに考えて悩んでいるときは、視野がより狭くなっていくものです。
短所ばかりが目に付くというときは、「別の角度からの視点」を意識してみましょう!
3)付き合った理由と別れる原因は同じ
よく恋愛では
付き合った理由と別れる原因は同じ
といわれます
つまり、長所が短所になってしまったということですね。
恋愛は身近な例になるので、先ほどの「紳士的な彼を八方美人と感じるようになった彼女」の例をとって、なぜ長所が短所に変わるのかを、三ツ山の課題に合わせて見ていきましょう。
図のように、彼の1つの特徴に対して
レディーファースト!紳士的♡
と思っていても、同じ特徴に対して見る角度が変わったことによって、見えなかった部分が見えてきて
八方美人!!
と感じるようになったんです。
彼の特徴は変わっておらず、彼女の見る場所が変わったというのが、分かっていただけるでしょうか。
この例とは反対に、嫌だと思っていたところを好きになることもあるでしょう。
このように、同じ特徴であっても見る人や状況、見方が変われば評価は容易に変わってしまいます。
つまり
自分が普段感じている短所も、見方を変えれば、容易に長所と捉えることができるということです。
3.HSPの集中力の高さと深い思考が苦手意識のカギ
生きづらいと感じるHSPの人にとって、集中力の高さと深い思考が悪い影響を及ぼしている可能性があります。
HSPは
など、様々な長所があるといわれています。
しかし、これらも使い方や捉え方が違えば
というように評価が変わってしまいます。
集中力の高さと深い思考を、良くない方に使ってしまった結果、生まれるのが強い苦手意識だと考えられます。
どういうことか、次の章で詳しく説明していきますね。
①HSPの特性を悪い方に使うと苦手意識を強くする
1つのことを深く考えられる特性は、言い換えれば集中力があるということです。
しかし
見方を変えると、「1つのことにとらわれやすい・こだわってしまう」という短所にもなります
人間関係を築く中で
この人の細かいところが嫌だな
など、苦手意識を感じることは日常的にあるでしょう。
ここでHSPの深い思考と集中力を、「苦手」に意識を向けるために使ってしまうと、苦手意識をより強くすることになります。
反対に
これを「好きなところ」「良いところ」を意識して使ってみたら結果はどうでしょうか?
「悪い所もあるけど、こんな良い所もある」と、その人の苦手なところも許せるかもしれませんね。
②自分の特性を自分でコントロールして使ってみる
自分の特性を知らなければ、対処のしようはありません。
しかし
なぜ苦手意識が強いのか、なぜ生きづらさを感じるのか、その原因になるものが分かれば対処は可能です。
自分の特性を知って、その特性を自分で意識することでコントロールをする。
コントロールができれば「生きづらい」が減っていきます。
自分の特性を自分でコントロールして、「生きづらい」を減らしていきましょう。
4.まとめ
自分が見つけた短所
人から指摘された短所
これは見方を変えれば、いくらでも長所に変えることができます。
ネガティブ思考の人は、短所を見つけることが得意です。
見つけた短所を、ぜひ見方を変えて長所と捉えてみてください。
生きづらいと感じやすいHSPも、その原因を知り、意識的にコントロールすることで、生きづらさを少なくすることはできます。
少しでもこの記事が、生きやすい世界を作るためのきっかけ・参考になってくれたらと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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