キャパオーバーで落ち着けない時の対処法|5分で落ち着く緊急リセット手順

キャパオーバーで落ち着けない時の対処法|5分で落ち着く緊急リセット手順のアイコン画像

「頭が真っ白になる」
「焦りが止まらない」
「何から手をつければいいか分からない」

普段はできていることなのに
極度の緊張や想定外の出来事に遭遇してしまうと
急に何もできなくなったり、
全く頭が回らず動けなくなったり——。

そんな自分を振り返って
「こんなことで、いっぱいいっぱいになるなんて」
と自分を責めた経験がある人も多いと思います。

でも、それはあなたの弱さではなく、
頭と体が「これ以上処理できない」サインを出している状態です。

キャパオーバーの解決法の前に
・なぜキャパオーバーになりやすいのか?
・あなたのキャパは本当に狭いのか?

を知りたいという
は、先にこちらの記事から読んでみてください。

こんな「キャパオーバーの状態」になってしまったら、
どう対応すれば「いつもの自分」に戻ることができるのでしょうか。

この記事では、
キャパオーバーになった人が、ひとまず落ち着きを取り戻すための方法をお伝えしています。

【この記事を読むと分かること】

・キャパオーバーのサイン(いま対処が必要な状態の見分け方)
・5分で落ち着くための「緊急リセット」3ステップ
・それでも落ち着かない時に試せる対処法(状況別)
・キャパオーバーを繰り返す人のための前兆チェックと予防のコツ

また、一般的な対処法に加えて後半に、
私が看護師として、急変対応や重症患者様の対応などを行っているときに、
もし、頭が真っ白になってしまったら、どうやって“動ける状態”に戻しているのか——。
実際に私が看護の現場で行っている「心を落ち着かせる方法」も紹介します。

この記事は、生活の中で気持ちが乱れた時や頭が真白になり上手く行動できない時に心の落ち着きを取り戻すための内容です。
     希死念慮がある場合、症状が強く長引く場合は、医療機関や公的な窓口に相談することを優先してください。    


そらのアイコン

【この記事を書いた人】
看護師家族ケア専門士として活動
・集中治療室や救急外来~在宅看護や介護施設まで

 幅広い現場を経験
認定調査員として年間60件以上の介護認定調査を実施。
・国立大学非常勤講師(高齢者看護学実習指導教員)
・グリーフケア専門士取得
・カウンセラー(ヒューマンギルド主催:アドラー心理学

 カウンセラー養成講座受講)


もっと詳しいプロフィールはこちら

誰にも共感されない、自分の繊細さがつらい…と感じている方に

目次

キャパオーバーのときは、
気合いで落ち着こうとしても上手くいきません。

それは、
頭と体が「これ以上処理できない!」という状態だからです。

キャパオーバーになったとき
落ち着くために必要なのは、次の3つです。

  1. 呼吸(吐く時間を長く)
  2. 刺激の自覚(音・光・人・通知・情報)
  3. 思考の整理(頭の中を外に出して、今やることを1つに絞る)

この順番でやると、「いつもの自分」に戻りやすくなります。


「キャパオーバーかも?」と思ったら、次の
・身体のサイン
・思考のサイン
・行動のサイン

の3つのサインを確認してください。
当てはまる項目が多いほど、あなたは「キャパオーバー」の状態といえます。

身体のサイン

  • 呼吸が浅い/息が詰まる感じがする
  • 胸がざわざわする、動悸がある
  • 肩・首・顎に力が入り抜けない
  • 胃が重い、吐き気がする
  • 手足が冷たい、震える

思考のサイン

  • 焦りが止まらない
  • 何をしても追いつかない感じがする
  • 考えがグルグルして結論が出ない
  • 判断できない/決められない
  • 失敗を想像して不安が増える

行動のサイン

  • 急に怒りっぽくなる/言い方が強くなる
  • 逆に無言になって固まる
  • 返信や連絡が怖い
  • 何もかも投げ出したくなる

たくさんの項目に当てはまっているのであれば
今は「頑張る」より「心を落ち着かせる」ことを優先させましょう。

ここからは実践です。
できる範囲で大丈夫なので、順番にやってみてください。

STEP
呼吸で体を落ち着かせる

焦りが強いときほど、呼吸は浅くなります。

浅い呼吸は交感神経を働かせるため
心も身体も興奮状態にしてしまいます。

焦りを感じたら、まずは自分の呼吸に意識を向けましょう。

呼吸のポイントは
・呼吸は「吐く」から始める
・吐く時間を長めにする
ことです。

  1. 鼻でも口でもいいので息を吸う(2〜3秒)
  2. 口からゆっくり吐く(4〜6秒)
  3. これを5回ほど繰り返す

あわせて、次もできる範囲でやってください。

  • 肩を少し下げる
  • 顎の力を抜く
  • 手をぎゅっと握って、ふっと力を抜く

このときに
「ちゃんと呼吸しなきゃ」
と思わなくて大丈夫です。
「少し長めに吐く」を意識して繰り返すことで、
次第に落ち着いてきます。

STEP
刺激を自覚する・刺激を減らす

次にやるのは刺激を自覚すること・刺激を減らすことです。
キャパオーバーの時は、刺激が多いほど回復が遅れます。

まずは「今、自分が感じていること」に意識を向けてみましょう。

聞こえている音や声
・見えている物(人や物)
・匂い
・温度(暑い・寒い)
・胸がドキドキしている(心臓の鼓動が分かる)
・手が震える
・汗をかいている

など、五感を頼りに「今、自分が感じていること」に目を向けることで
真っ白になっている頭を「今・この瞬間」に戻すことができます。

・可能なら 場所を変える(トイレ、廊下、車、別室、ベランダでもOK)
音を減らす(テレビを消す/イヤホンで環境音を遮る)
光を減らす(画面の明るさを落とす/目を閉じる)
通知を切る(スマホはおやすみモード、SNSは閉じる)

この段階では「問題を解決しよう」としなくて大丈夫です。

STEP
頭の中を整理して「今やる1つ」だけに絞る

step①で呼吸を整えて、
step②で少し落ち着きを取り戻してきたところで
次は、今あなたを焦らせている原因を整理していきましょう。

たくさんある焦りの原因に対して「どうしよう」と考えるだけでは
頭も身体も動いてはくれません。

何から手をつければよいのか、何をしなければならないのか
今あなたが焦っている原因を1つずつアウトプット(書いて外に出す)していきます。

  1. 紙でもスマホのメモでもいいので、
    頭の中にある
    「やるべきこと」
    「やらなければいけないこと」
    「やりたいこと」
    を箇条書きにしていく
  2. その中から「今すぐやらないと困ること」を1つだけ選ぶ
  3. それ以外に「いつやるか」を書く:
    • あとで
    • 保留
    • 明日
    • 誰かに頼む

ポイントは、今やるのは1つだけにすることです。

やることを1つ絞るとと、
脳が「進んだ」と認識して落ち着きやすくなります。


私は看護師として、急変や重症患者様の受け入れなどで
緊張が一気に高まる場面を何度も経験してきました。

何度経験しても、
・命に関わる場面
・やること(処置)や考えなければいけないことが多い
・その患者さん以外の患者さんも同時に看なければならない

であるため、すぐにキャパオーバーを起こして
頭が真っ白になってしまいます。

こういう時、
気持ちで「落ち着こう」としても、コントロールは難しい。

でも、医療従事者として命を預かる立場である以上
「難しいからできない・動けない」では済まされません。

では、
焦って頭の中で「どうしよう」がグルグル回り続けてしまったり
頭が真っ白になって動けなくなってしまったとき
私がどうしているのか。

私がやっているのは
「今すぐ動けるところ」を探して、まずはとにかく動く」です。

1)自分に問いかけて「今すぐ動けるところ」を探す

医療現場では
今まで普通に過ごされていた患者さんが
次の瞬間に突然状態が変わってしまうということが起こります。

そんな場面に遭遇すると
一瞬「どうしたらいいんだろう」と
動きが止まってしまうことがあります。

ですが、
動きが止まる=思考の停止です。
この状態でどんなに考えても
浮かんでくる言葉は「どうしよう」だけ。

これはまさに「下手な考え休むに似たり」。
考えているようで、全然考えられていない状態です。

私の実感としては、
動かなければ、頭も動いてくれないんです。

なので私は、
頭の中で次の問いかけをします。

「まずは動く」
「今すぐ動けるところは?」
「今、足りないところは?」

ポイントは、小さな行動でも良いので「今すぐ実行できること」を見つけることです。

2)動き始めると頭が回り始める

不思議なことに
頭が真っ白なまま止まっていると、
「どうしよう、どうしよう」が繰り返されていたのに
小さくでも動き始めると、
さっきよりも周りの状況を冷静に見れるようになっているんです。

冷静さが戻ってくると頭はより回り始め、
次にしなければならないことや
他にもできることが見えてきます。

ここで大事なことは
「ベストな選択」「完璧な答え」にこだわらないことです。

「ベストな選択」「完璧な答え」を探さなきゃ!と考えた瞬間
また、心も身体も動けなくなってしまいます。

例えば、
急に意識がなくなってしまった患者さんへの対応をするとします。

この時に
・呼びかけて意識の状態(レベル)を確認する
・血圧、呼吸状態を確認する
・声を出して人を集める
・ナースコールで知らせる
・救急カート(緊急時に必要なものが揃っている台車)を持ってくる
・心臓や呼吸が止まっていれば、心肺蘇生を開始する
・家族に連絡する
・状況を医師に報告する
など…
一瞬で、いろんな「やらなければならないこと」に襲われるので
何をしたらいいのかパニックになってしまいます。

ですが、この中の
・声を出して人を集める
・ナースコールで知らせる

という小さな行動をするだけでも
「じゃあ、次は○○をしないと」
というように、自然と次の行動を考えやすくなるんです。

もちろん医療者としてベストな選択はあり
その「ベストな選択」を常にできるのが一番良いでしょう。

でも、医療者も人間です。
とっさの出来事にすぐに対応できない瞬間はあります。

そして、「ベストな選択」を求めることで
「全く動けなくなってしまう時間が長くなる」ことの方が
より「危険な選択」になってしまいます。

例えベストな対応ではなくても
動けないままでいるのではなく、
小さな行動を起こすという「ベターな選択」をすることで
冷静さを取り戻し
より「ベターな選択」を見つけていくことが大切だと思うんです。

そして、その「ベターな選択」の積み重ねで
「ベストな結果」をもたらす
こともできます。

だから私は、完璧な答えを探すのではなく
小さなことでも「すぐに動けること」を探す。
「考えてから動く」ではなく
「動いてから頭を回す」を意識しています。

3)どうしても動けない時は「5秒だけ」呼吸に集中します

とはいえ、焦りが止まらず
どうしても頭が真っ白で動けない
小さな出来ることも見つけられない
はあります。

そんなときは、5秒だけ目を閉じて、呼吸に意識を向けます

やり方としては

  • 目を閉じる(5秒)
  • 5秒を数えながら息を吐く感覚に集中する

という簡単なものです。

「5秒だけ呼吸に集中する!」と、
呼吸に集中する時間を最初に決めてしまいます。

制限時間を設けることで
呼吸に集中しやすい状況を作れます。

この「5秒」という時間には
特別意味はありません。
(とはいえ5分、10分といった長い時間にしない方が良いです)

急変対応の時は1分1秒を争う状況です。
そんなときに「自分を落ち着かせる方法」として使っているので
あまり長い時間が取れないので
「せめて5秒」と自分で設定しているだけです。

少し時間に余裕がある状況なら
30秒、60秒と設定するのもアリです。

これくらいの時間なら、
その場で実行しやすく、
心を落ち着かせて「次の一歩」に繋がりやすいです。

このやり方は、日常のキャパオーバーでも応用できます。
「動くためのはじめの一歩」を作ることで、
落ち着くためのルーティンにしやすくなります。


ここでは、
3ステップをやっても落ち着かないときの
私のやっている対処法以外の方法を紹介します。

状況別の対処法を紹介していますので
そのときに「何が一番つらいか」で、
対処を変えてみるのも良いでしょう。

身体がつらい時(息苦しさ、動悸、緊張)

  • 温かい飲み物を少し飲む(できればカフェインなし)
  • 背中を壁につけて立つ/座る(姿勢を正す)
  • 首・肩をゆっくり回す(速くやらない)
  • 全ての行動をゆっくりにする(話す、歩くなど)

頭が暴走する時(考えが止まらない)

  • 思いつくままに書き出す
  • 「いま結論を出さない」と決める(保留を許可する)
  • 返事や決断は「落ち着いてから」にする

感情が強い時(怒り、悲しみ、自責)

  • 自分に言う言葉を固定しておく(例)
    • 「いまは疲れているだけです」
    • 「落ち着いてから考えます」
    • 「今日はここまでで十分です」
  • その場を離れる(1分でもOK)

キャパオーバーは、ある日突然起きるように見えて、
実は 前兆 があることが多いです。

「早めに気づける」だけで、軽い段階で止めやすくなります。

黄色信号(早めに休んだ方がいいサイン)

  • 眠りが浅い/朝から疲れている
  • 連絡を返すのが重い
  • 小さな音や言葉にイライラする
  • 予定を見るだけで気が重い
  • 余白がない(ずっと頭が働いている)

この段階でやることは、難しくありません。
予定を1つ減らす、通知を切る、睡眠を優先する。これだけでも悪化しにくくなります。

赤信号(安全を優先したいサイン)

  • パニックに近い息苦しさが続く
  • 食事や睡眠が崩れて日常が回らない
  • 「消えたい」「いなくなりたい」気持ちが出る
  • 自傷・希死念慮がある

この場合は、この記事だけで頑張らず、医療機関や公的な相談窓口につながることを優先してください。


今回紹介したリセット法は
「その場で落ち着く」には役立ちます。

ですが、
環境や人間関係、役割の多さが原因で、
繰り返しキャパオーバーになってしまうという方もいるでしょう。

もし

  • 一人だと整理できない
  • 同じパターンを何度も繰り返す
  • 頑張っているのに余裕が戻らない

という場合は、第三者と一緒に状況をほどいていく方法もあります。

私は看護師として、体調面も含めて確認しながら、
負担を減らす工夫と考え方の整理をサポートしています。

必要な方は、個別相談(オンライン)も選択肢に入れてみてください。

【すぐに個別相談したい】
👉個別相談・サービス購入:https://sora20210115.base.shop/

【まずは相談内容を確認したい】
👉問い合わせ(メール):https://ashitanosora.com/toiawase/


落ち着きを取り戻せたら、次は「そもそもキャパオーバーになりにくい状態」を作ることが大切です。
心のキャパを広げる方法(生活・環境・考え方)をまとめた記事も、続けて用意します。

このブログは、看護師(臨床経験10年以上)、家族ケア専門士が書いています
集中治療室・救急外来・内科・外科・整形外科・訪問看護・特別養護老人ホーム・デイサービスなど、幅広い医療・介護現場を経験
介護認定の認定調査員として、韮崎市からの依頼を受け、年間60件以上の要介護認定調査を行い、介護制度と在宅介護の現場にも精通
国立大学非常勤講師(高齢者看護学実習指導教員)
心理学・カウンセリングを15年以上学び、現在はカウンセラーとしても活動

【資格・実績】
・ 看護師
・家族ケア専門士

・DMAT隊員
・グリーフケア専門士
・認定調査員(年60件訪問)
・ハンドケアセラピスト
・アロマテラピー検定1級
・ヒューマンギルドにてアドラー心理学・カウンセラー養成講座修了
・ユマニチュード基礎講座修了


「医学的知識 × 心理学的支援 × リラクゼーション」を組み合わせて
介護をするご家族の身体と心を支えるための活動をしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

SoRaでは
介護に困っているご家族へのサポート
・大切な人を亡くされた方の心のケア
・人間関係に悩んでいる人・仕事での愚痴や不満・日々の不安など生活の中での悩み相談
・看護学生向けのオンライン・オフラインでの家庭教師
を行っています。

何かお困りごとがありましたら、遠慮なくご相談ください。

各サービスのご予約はこちら⇩

お問い合わせはこちら⇩

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメントいただけると嬉しいです

コメントする

CAPTCHA


目次