【言葉の力】『三月のライオン』に学ぶ「誰かと比べて自信を失ったとき」の向き合い方-漫画が教えてくれる“歩み続ける勇気”-

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誰かと比べてしまって、自信をなくす瞬間ってありませんか。

「どうせ私なんて…」
「あの人には敵わない」
そんな気持ちが心の奥で静かに広がって、前に進む力を奪ってしまうことがあります。

でも実は、
“比べてしまう自分”は決して弱さではなく、誰にでも起こる自然な心の揺れです。

今回紹介するのは、
そんな“誰かとの比較で心が折れそうになったとき”に、そっと背中を支えてくれた漫画の言葉。

努力しても埋まらない差を前にしても、それを「止まる理由」にはしない
そんな優しさと強さが込められた言葉です。

もし今、
誰かを見て
誰かと比較して
苦しくなっているあなたがいたら——
この言葉が、少しでも
その心を軽くしてくれますように。

では、本文に入っていきます。

そらのアイコン

【この記事を書いた人】
看護師(臨床経験10年以上)/家族ケア専門士として活動
・国立大学非常勤講師(高齢者看護学実習指導教員)
・グリーフケア専門士取得
・カウンセラー
・集中治療室・救急外来から在宅医療・介護施設まで幅広い現場を経験。

・年間60件以上の認定調査実施。

目次

「縮まらないから」といって、それが、俺が進まない理由にはならん。
「抜けないことがあきらか」だからって、俺が「努力しなくていい」ってことにはならない。

羽海野チカ『3月のライオン』白泉社

これは、私が大好きな漫画の中1つ。
羽海野チカ先生作の漫画『3月のライオン』4巻に登場する言葉です。

この言葉は、物語の中で、主人公である桐山零の先輩にあたる島田開のセリフです。
この漫画は将棋の世界の話で、紹介したセリフは島田開が、将棋界の頂点に立つ宗谷名人へ挑む場面で語られます。

宗谷名人は、作品の中でも「誰も太刀打ちできない超天才」として描かれています。

勝つことが難しいと分かっていても、それを理由に足を止めない島田さん。
努力と挫折を繰り返し、やっと手に入れた宗谷名人への挑戦状
このときの彼の言葉は、私の胸に深く刺さりました。


誰かと比べて、心が折れそうになる瞬間って、ありませんか?

人が“他人と自分を比べてしまう”のは、決して弱さではありません。
私たち人間は、自分の立ち位置や安心を確かめるために、無意識に周囲と比較してしまう傾向があるといわれています。

本来は、野生の中で生き延びるために必要だった“本能”が、現代ではSNSや職場・学校の環境で過剰に働いてしまう。
それにより、
「自分は劣っているのではないか」
「頑張っても届かないのでは…」
と心が折れそうになる瞬間が生まれてしまうんです。

さらに、
・他人の成功が見えやすい
・自分の努力は見えにくい
・比較する対象が強すぎる

(SNSのインフルエンサーなどの有名な人の情報が日常的に容易に手に入る)
という“認知の偏り”も、現代人が落ち込みを深めやすい要因になります。

こうした心理的背景は、多くの人が抱えるごく自然な反応です。

そしてその“具体例”として、私自身にも同じような経験があります。

遅咲きの看護師である私が抱いた劣等感と嫉妬

仕事でも勉強でも、SNSでも、つい自分と誰かを比べてしまう。
「自分には向いていない」「全然ダメだ」と落ち込んでしまう経験が私にもありました。

私は30歳を過ぎてから看護師になりました。
そのため、同年代の看護師と比べると、経験年数はどうしても浅くなります。
(高校卒業して専門学校に入り看護師になった人と比べると10年くらい違います)

そのせいか、仕事中に知識不足や技術不足を痛感すると、
「遠回りをしてきた自分はダメなんじゃないか…」
と心が沈むことがありました。

また、同期は10歳も年下の子たち。
体力も基礎学力も彼ら、彼女らの方が高い。
一度聞いたことを要領よく覚えていき、すぐに実践できてしまう同期——
同じことをしても、同じ失敗をしても可愛がられる同期——
そんな同期の子たちに、看護師1年目は嫉妬をし、何度も心が折れ掛けました。

SNSを見れば、圧倒的な経験や知識を持つ医療者やインフルエンサーの方々が毎日素晴らしい発信をしてい、私たちに知識や経験を分けてくれています。
でも、そんなすごい人たちを見ていると

「こんな人たちがいるのに、自分が何かを伝えるなんてできない…。」
「何かを伝えたとしても、この人たち以上の意味のあることを伝えられるんだろうか…。」

——と、自分の想いを発信する勇気が持てず、自信を失い、発信を辞めてしまった時期もあります。
正直、今このブログを書いていることも、不安になり、立ち止まってしまいそうになる瞬間があるくらいです。


実は、この“比較による落ち込み”は看護学生にもよく見られます。

私が実習の指導者として、看護学生と関わっている中
・実習中、同期と比べて焦ってしまう
・「自分だけができていない」と感じて泣いてしまう
こんな子たちが、たくさんいました。

そんな看護学生たちを支えるために、私は実習指導中にたくさんの言葉を掛けてきました。


👉 実習で落ち込んだ看護学生さんに、実際に私が掛けた「モチベーションを爆上げした言葉」をまとめた記事はこちらです。

この記事は看護学生さん向けですが、
「誰かと比べて落ち込む」「自信がなくなる」という悩みは、大人も学生もまったく同じです。
だからこそ、この記事を読んでくださっている“看護学生ではないあなた”にも、きっと通じる部分があると思います。


泣いてきた看護学生を教員として指導してきた私ですが、私にも心が弱いところがあります。
不安になると、何かにつけて「立ち止まる理由」や「逃げる理由」をつい探してしまうんです。

「どうせ追いつけないし…」
「向いていないのかもしれない…」
「始める前から結果は見えてる…」

そんなふうに、挑戦する前から諦めてしまいたくなることが何度もありました。

でも、この3月のライオンのセリフを思い出すたびに、そっと背中を押される感覚がありました。

「自分よりすごい人がいるからといって、歩かなくていい理由にはならない」
「今の自分でもできる一歩なら、必ずある」

そう気づかせてくれる、優しい言葉なんです。

一見すると厳しいように聞こえますが、本当は、

“今までの自分も、これからの自分も、もう否定しなくていいんだよ”

という温かさも込められているように感じています。


看護師さんや看護学生さんからも、
「先輩と比べて落ち込む」
「周りの同期がすごく見える」
そんな相談をよくいただきます。

誰かと比べてしまう。
劣っているように感じてしまう。
向いていないと思い込んでしまう。

でも、今日のこの言葉を、そっと心のどこかに置いておいてもらえたら嬉しいです。

あなたがこれまで歩いてきた道は、「誰か」の道とは違います。
追いかける相手がどれだけ遠くに見えても、「進むかどうか」を決めるのは、いつもあなた自身です。

自分の人生の選択を、自分で選ぶ。
それは、自分の人生を自分の責任で、自分らしく生きていくことでもあります。

あなたが勇気を振り絞って出した「その一歩」は、たとえ小さくても、確実にあなたの力になっていきます。


この言葉は、私にとって特別な一言です。
たくさん救われましたし、今も何度も思い出しています。

もしこの言葉が、あなたの心にも少しでも届いたなら、とても嬉しいです。

  • 「私はこう感じたよ」
  • 「こんな場面で思い出したい言葉だと思った」

など、あなたの感想もぜひ聞かせてくださいね。


次回:「Re:ゼロから始める異世界生活」に学ぶ“今の自分のままで強く在ろうとする決意”

【言葉の力】シリーズ一覧はこちら👉「漫画やアニメが私に教えてくれる人生の大切なこと」


このブログは、看護師(臨床経験10年以上)、家族ケア専門士が書いています
集中治療室・救急外来・内科・外科・整形外科・訪問看護・特別養護老人ホーム・デイサービスなど、幅広い医療・介護現場を経験
認定調査員として年間60件以上の要介護認定調査を行い、介護制度と在宅介護の現場にも精通
国立大学非常勤講師(高齢者看護学実習指導教員)
心理学・カウンセリングを15年以上学び、現在はカウンセラーとしても活動

【資格・実績】
・ 看護師
・家族ケア専門士

・DMAT隊員
・グリーフケア専門士
・認定調査員(年60件訪問)
・ハンドケアセラピスト
・アロマテラピー検定1級
・ヒューマンギルドにてアドラー心理学・カウンセラー養成講座修了
・ユマニチュード基礎講座修了


「医学的知識 × 心理学的支援 × リラクゼーション」を組み合わせて
介護をするご家族の身体と心を支えるための活動をしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

SoRaでは
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