介護をしていると、自分のことを後回しにしてしまう。
「家族を優先しなきゃ」「自分に時間を使うなんて…」そんな想いを抱えている方は少なくありません。
私は看護師として、多くのご家族がその思いの中で心身ともに疲れていく姿を見てきました。
だからこそ
「介護者のための居場所」をつくりたい
──それが、私がサロンカーを始める理由です。
介護の陰で見えなくなってしまう存在

在宅介護をしていると、自分のことを後回しにしてしまう方が多くいます。
食事や排泄の介助、通院の付き添い、夜間の見守り。さらに家事や仕事との両立。
そうした生活の中で、介護者自身の心身の疲れは、社会の中で表に出にくいのが現実です。
看護師として働いてきた私は、その「介護者の存在」が置き去りにされている現実を何度も目にしてきました。
原体験──もどかしさから始まった想い

病棟勤務をしていた頃のことです。
身体の小さな高齢女性が、大柄な旦那さまのもとへ面会に来られました。
その姿を見て私は心の中でつぶやきました。
「この方は、家でどうやって1人で夫を介護していたんだろう…」
私たち専門職でさえ、数年間学び、現場で経験を積んでもなお「まだ足りない」と言われる介護技術。
それを、家族は誰に教わるでもなく、自己流で必死に続けているのです。
その現実を前に、私は強いもどかしさを覚えました。
訪問看護の現場でも、家族からこんな言葉をかけられたことがあります。
「この人(療養者)は助けてもらえる場所があるのに、私はどこで助けてもらえばいいの?」
その一言に、胸を締めつけられるような悲しさと、どうにもできないもどかしさを感じました。
また、ご家族を亡くした後の支援の大切さを知りながらも、看護師は患者さんが退院してしまうと家族への関わりが途切れてしまうという現実もありました。
こうした体験が積み重なり、私は「在宅介護をしている家族を支える場をつくりたい」と強く思うようになりました。
“自分を後回しにしない”―介護をしていても、あなたの人生はあなたのもの―

在宅介護を担う家族は、どうしても自分を後回しにしてしまいがちです。
「家族を優先しなきゃ」
「自分に時間を使うなんて申し訳ない」
──そんな気持ちを抱く方がたくさんいます。
その優しさゆえに、気づかないうちに心も体もすり減ってしまうのです。
だからこそ私は伝えたいのです。
“自分を後回しにしない”という選択をしてほしい。
介護をしていても、あなたの人生はあなたのものだから。
もっと自分を大切にしていいし、もっと自分を優先していい。
そのことを忘れないでほしいのです。
サロンカーとは?

ここで「サロンカーって何?」と思う方もいるかもしれません。
サロンカーとは、車の内装を施術ができるように改装し、移動できる小さなサロンにしたものです。
ご自宅の近くまで移動できるので、「時間がない」「迎える準備が大変」といった介護者の負担を増やさずに利用していただけます。
サロンカーの中でできること

サロンカーの中では、まずリラクゼーションを行います。
介護で疲れた体をほぐし、少しでも軽くなるように。
また、追加オプションとして
- カウンセリング(心の声を安心して話せる時間)
- 身体に負担が少ない介護技術の指導(抱え上げや移乗のコツなど)
を提供します。
ただ癒すだけではなく、「明日からの介護が少し楽になる」ための学びや安心を持ち帰れる場所にしたいと考えています。
なぜサロンカーなのか
なぜ「サロンカー」なのか。
理由のひとつは「時間の壁」です。
介護と仕事、家事を両立している中で、介護者が自分のためにどこかへ出かける時間を持つのは難しい。
もうひとつは「心の壁」です。
「お金がかかるから」「時間がないから」「家族を優先しなきゃ」──そう思ううちに、自分のための時間を使うことに罪悪感を覚えてしまうのです。
サロンカーなら、家に迎える準備も不要で、短時間でも利用できます。
車のドアを開けて一歩踏み込めば、そこは日常から切り離された小さな非日常空間。
「旅行に出かけ、宿泊先の部屋に入った瞬間」のような特別感を味わってほしいのです。
少しの時間でも、介護から心を解き放ち、自分のためにリフレッシュすることができる。
サロンカーは、そんなツールになれると信じています。
私にしかできないこと
私はこれまで、集中治療室から訪問看護、特別養護老人ホームまで幅広い現場を経験してきました。
心理学やカウンセリングも学び、繊細な感覚と強い共感力を持って、患者さんやご家族に向き合ってきました。
高齢化が進む中、患者や療養者へのサポートは少しずつ整ってきています。
けれど、介護者の支援はまだまだ不足しています。
だからこそ、そこに光を当てるサービスをつくることは、私にしかできない役割だと思っています。
届けたい未来

サロンカーを通じて届けたいのは、特別なことではありません。
今日より少し介護が楽になる明日。
「独りではない」と感じられる明日。
そんな未来を、一人でも多くの介護者に届けたいのです。
介護は決して一人で背負うものではありません。
「あなたの人生も大切にしていい」
──その想いを込めて、私はサロンカーを走らせます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
SoRaでは
・介護に困っているご家族へのサポート
・大切な人を亡くされた方の心のケア
・人間関係に悩んでいる人・仕事での愚痴や不満・日々の不安など生活の中での悩み相談
・看護学生向けのオンライン・オフラインでの家庭教師
を行っています。
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