詳しいプロフィールを知りたい方はこちら
実習のことについて相談したい方はこちら
「動けない」原因は失敗の繰り返しと責任の重さ
看護師として働いていたら
必ず出くわしてしまうのが
「急変」です。
いきなり患者さんが思わぬ事態になってしまうと
動けなくなってしまいますよね?
初めて患者さんが急変してしまった時は
僕も全く動けませんでした。
もう本当に
呆然と立ちすくむだけでした。
今でこそ
何とかフリーズせずに動くことが出来るようになりましたが
ここに至るまでには
いろんな工夫・試行錯誤をしてきました。
今回はそんな
動けなくなってしまった
フリーズしてしまった時の対処法
どんな工夫・試行錯誤をしてきたのかを
書いていきたいと思います
まずは結論の対処法から書いていきたいのですが
小さい頃から
こんなにプレッシャーに弱かった僕でも
大丈夫になったんだから
みんなも大丈夫☆
ということを伝えられたら!と思うので
少しだけ
僕がどれだけプレッシャーに弱かったのかという話をさせてください。
※別にエピソードとかはいいから、結論・対策だけ知りたい!という方は
目次の●●●をクリックしてくださいね♪
プレッシャーに弱くて動けなくなる
「迷惑かけたくない」と思えば思うほど動けなくなる
僕は小さい頃からとてもプレッシャーに弱く
緊張しやすい性格をしていました。
小学校の頃
一時期、地域のサッカークラブ(スポ少:スポーツ少年団って全国共通なんだろか?)に
所属していたことがありました。
サッカー自体はすごく好きだったんですが
試合になると
「自分のミスがチーム(チームメイト)に迷惑かける」
というプレッシャーから
・ボールを持つと上手く動けない
・いつものようなプレーができない
という状態になってしまっていました。
こんな状態では、もちろんミスも沢山してしまい
結果的にチームに迷惑をかけてしまう。
そうすると、また次にはプレッシャーが大きくなる、、、
という悪循環に陥り
結局、数か月で辞めてしまいました。
注目を浴びると動けなくなる
他にも
・幼稚園で大事な役割を任されると不登校(幼稚園だから不登園?)になる
↑もう、これに関しては、動けないとかのレベルじゃない(笑)
・授業中、国語の時間に朗読をする場面で
足が生まれたての小鹿のように震え、声が震える。
・リレーの第一走者になり、スタートの合図直後に足がもつれて転ぶ。
などなど、、、
人から見たら小さい失敗かもしれませんが
本人にとっては
「繰り返してきた失敗の積み重ね」で
元々プレッシャーに弱い気質を持っていたところに
更にプレッシャーを感じやすくなってしまったというわけです。
責任の重さ=プレッシャーの大きさ
失敗体験の繰り返しで自信を失い、更に緊張しやすくなった
緊張して失敗する・・・
失敗したから緊張する・・・
こんな失敗体験を何度も繰り返していく事で
どんどん自信を失っていき
僕は、大人になってからも緊張しやすさは変わらず
いや
むしろ、こういった経験を経たことによって
より緊張しやすくなったと思います。
その原因はきっと責任の重さが
大人になるにつれて大きくなっていき
その責任の重さを
より自覚するようになっていったからだと
僕は考えています。
命を預かる責任の重さは比べものにならなかった
看護師になって、患者さんの急変を目の前にした時も
身動き取れなくなってしまったということが何度もありました。
今まで緊張する場面はたくさん経験してきましたが
医療の現場で、人の生命が関わっている場面は
他の場面と比べ、緊張度はより高く
動けないのレベルが全く違いました
いわゆる「フリーズ」ってやつですね
完全に固まってしまって、身動き取れない
もう、緊張度MAXのパニック状態で
震えすら起きてくれない(苦笑)
特に「看護師」という職種の特性上
自分の行動が命に直結する
というプレッシャーの中で働かなければならなかったからだと思います。
「緊張しても動ける」は向き・不向きではなく【技術】
同じように
医療職や介護職の方で、このような急変対応を目の当たりにして
動けない自分を振り返り
自分にはこの仕事は向いてない、、、
そう思ったことのある方もいるのではないでしょうか?
もしくは
違う仕事であっても
緊張から思うようなパフォーマンスが出来ずに
困っている人がたくさんいるんじゃないでしょうか?
でも大丈夫ですっ!!
今でも緊張しやすく
足が生まれたての小鹿みたいにガクガクなってしまう僕でも
患者さんの急変時に率先して動けるようになった方法なので
ぜひ試してみてください。
緊張で動けなくなることは「当たり前」
それでは、ここからは
今でも緊張しいで、何かあるとすぐ動けなくなってしまう僕が
急変対応の時にどんな対策をして、フリーズせずに動けているのかを
お伝えしていきたいと思います。
人は何故フリーズ(固まる)してしまうのか
孫氏の兵法の中に
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
という言葉があります
戦いに勝つためには、敵の事、自分のことを知らなければならない
それを知ることが出来れば負けることはない
という言葉です。
ということで
まずは敵である「緊張」であったり
自分の中で何が起こっているのかを理解する事も
対策の一つになりますので
その辺を説明していきます
3F:Rreeze(フリーズ)・Flight(フライト)・Fight(ファイト)
フリーズ・フライト・ファイト
というのを聞いたことがあるでしょうか?
Freeze(固まる・動けなくなる)
Flight(逃げる)
Fight(戦う)
の3つの頭文字を取って3Fと言ったりもします
これは人間(動物も含めて)が
危機的状況に陥った時にとる行動を表しています
言葉の順番通り
まず、何か危険だと思う場面に出くわすと「固まる」。
↓
次に「逃げる」。
↓
最終的に追いつめられると「戦う」を選びます。
■トムとジェリーで分かる「3F」
アメリカの有名なアニメ「トムとジェリー」でも
トムにビックリしたジェリーが固まる
捕まる前に逃げる
追い詰められて反撃する
ジェリーからの思わぬ反撃に驚いたトムが固まる
…
みたいなシーンもありますね?
このやり取りを思い出してみると
3Fがどんな順番で起こるのか
イメージしやすくなると思います。
防衛機制:「逃避」
心理学、精神医療の世界では
防衛機制というものがあります。
これはストレスを受けた時に
自分を守ろうとする心理的な反応の事です。
この防衛機制には
抑圧、否認、逃避、合理化、投影、同一視、
退行、反動形成、代償、昇華、補償の11種類があると言われています。
この中にある「逃避」は
文字通りそのストレスから逃げる事で自分を守ろうとする行動で
冒頭で紹介した「先生から何かを任されると不登園になる」
という僕の行動がまさに、この逃避だったというわけですね。
動けない状態は、生き延びるためのスイッチが入ったということ
身体の中は
「活動」と「休息」の調整をしている
自律神経という機能があるんですが
身体を「活動」させるように働いている神経を交感神経
身体を「休息」させるように働いている神経を副交感神経
といいます
このフリーズの後のフライト・ファイトは
交感神経の働きを活発にさせて生き延びるために
逃げる(フライト)、もしくは戦う(Fight)ことができる
身体の状態にしています
つまり
この固まる(フリーズ)状態は
生き延びる行動をとるための準備段階のようなものであって
交感神経のスイッチが入った時に起こる状態だと
考えていいと思います
リラックスした状態では
目の前で起こっている危機的状況に対処できないので
戦闘態勢に入るために準備する!
それがフリーズだということですね。
動けない、できない自分を責めなくて良い
このように
身動きが取れなくなった状態というのは
動物・人間が自分を守るため備わっている
自然な身体的・精神的反応なので
そうなって当然のことだということです。
なので
身動き取れなくなってしまう自分を振り返って
自分はダメだ
と責めてしまう人も多いかとは思いますが
身体的にも心理的にも
身動きが取れないという状態は
「自分を守るため」に必要な行為だということを
覚えておいてください。
対策① 止まった時は「何でもいいからとにかく動く!!」
自分を守るために
「身動きが取れなくなる」状態になることは分かったけど
それが分かっただけでは
困っている現状は変わらないと思うので
僕が動けなくなった時にどのように対応しているか
を書いていきます
身体が動いていないと思考も止まる
看護師として急変対応をしていく中で
僕が学んだことは
「動かないと思考も止まる」
ということです。
一度動きを止めてしまうと
頭の中で考えることでさえも
難しくなってしまってしまいます。
動かない
↓
考えられない
↓
自分が今は何をすればいいのか分からなくなる
↓
更に動けなくなる
動けないから考えられない
考えられないから、動けない…
…と、無限ループになります。
僕も実際に
急変対応中に動けなくなってしまった時は
先輩から大きな声で指示があるまで
全く動けない・考えられない状態でした。
こうならないためには
何でもいいから、とにかく動くことが
大切になります。
「今」自分にできる事だけを探す
いやいや
動けないから困ってるんだよ!
と言いたい気持ちも分かります。
「何をしていいか分からない」ままだと動きにくいし
「何でもいいから動く」の
その「なんでも」が見つからない!
ですよね
なので
何を「したらいいか」
ではなく
「今の自分に何ができるか」
「今、何が足りてないか」だけに集中する
動けない時というのは
パニック状態なのにも関わらず
自分のキャパシティ以上のことをしようとしたり
探したりしてしまいます。
その結果
自分にできないことをしようとしてしまい
余計動けなかったり、パニック状態になってしまったりします
パニックの状態で
起こっている出来事の全体を見ても
上手く観察・把握はできないので
・今の自分にできる事
・今、目の前で足りていない事
などのように
観察・思考をする範囲を絞って探してみましょう。
例えば
患者さんの急変の場面であったら
- 心臓マッサージ
- ルート確保(点滴をするために血管内に点滴の針を入れることを言います)
- バイタル測定(血圧や体温などの身体の状態を看る事)
など
今の自分でもすぐできることや
まだ誰もやっていないこと
にポイントを絞って探してみると
全体を見ながら「どうしよう?何したらいいんだろう?」
と探すよりも
自分にできることが探しやすいです。
こうして探した「できること」に向けて動き始めると
次にできることや、足りないことが
意外とポンッ!ポンッ!という感じで見えてきます。
成功体験が自信につながり動けるようになる
「やること」が分かると「動けない」は減ります
そして
このように
自分で見つけられた行動は
次に似たような場面に出くわしたときに
進〇ゼミでやったところだ
…的な感じで
見つけやすくなっていきます
こんな感じで1つずつ
自分で見つけた「できること」を増やしていき
経験を重ねていくと
「できること」の引き出しが増えていくので
身動き取れなくなる時間はどんどん減っていきます
「できた!!」という成功体験は
自信につながります。
自信が付くと
自然と動けるようにもなっていきます。
今すぐに自信をつけるのは難しいですが
焦らず1つ1つ
「できた!!」と積み重ねていってください。
対策② 3秒ルール
幼稚園や小学校の頃
食べ物落として
3秒以内に拾えば
3秒以内だからセーフ!
っていう
3秒以内に拾えば
バイ菌が付かないから大丈夫!
みたいなのありましたよね?
今回は紹介するのは
その「3秒ルール」ではありませんwww
時間を決めて深呼吸をする
何年か前に
「LOST」という海外ドラマが流行ったんですが
その中に出てくる主人公が外科医で
手術中にミスをしてしまう
という回想シーンが出てきます。
そのシーンの中で主人公は
ミスをして焦っている中
目を閉じてゆっくり「1…2…3………10」と
10秒数えてから目を開けて
手術を再開します。
手術中
患者の命を左右する10秒。
短い時間かもしれないけど
その間、目を閉じて止まるというのは
とても難しいし、危険かもしれない。
でも
僕はそのシーンを見て
たしかに
焦ったまま対処し続けるくらいなら
10秒使って冷静さを取り戻してから
対処した方が良いかも
と感じました。
3秒だけでも落ち着きを取り戻すことが出来る
実際に仕事中
焦ってパニックになりかけた時に
「3秒だけ」と
心の中でゆっくり
「1…2…3…」と唱えたら
数を数えない時と比べると
焦りは完全になくならないまでも
少し冷静に対処できるようになりました。
※実際の現場で10秒目を閉じてゆっくり深呼吸は
現実的ではないので3秒にしました
焦っている自分を自覚して
「3秒」限定で止まって深呼吸
そして
落ち着いた眼で周りを観察してみる
たったこれだけでも
意外といつもより冷静に動けるようになります。
焦ってすぐにパニックになってしまいやすい僕にとっては
この3秒ルールはとても効果的でした。
対策③ 次の時のために振り返りをする
今起こっている
フリーズしてしまった状態を
解消するための対策ではないですが
次、フリーズしないための対策として
振り返りをすることを
オススメします
看護師はよく先輩から
振り返りしましょう
と言われることがあると思います。
そのせいか
「振り返り」という言葉に
あまり良い印象を持っていない人もいるかもしれません。
ですが
個の振り返りをすることは
本当にとても大事になって来るので
苦手と思わず
ちょっと頑張ってみてください。
振り返りには五感を使う
上手くできなかった自分を責めなくていい
と説明していますが
その場面の振り返りはした方が良いと思っています。
出来れば記憶が鮮明なうち(その日)に
思い出すことをオススメします。
そして
その時のことを五感をフルに使って思い出します。
その時感じていた
「暑さ・寒さ」
「匂い」
「目に入ったもの」
「聞こえてきた声・音」
「感じたこと」
「考えたこと」
なるべくリアルに
その時の状況を思い出します。
五感を使った振り返りの仕方
僕は主に映像を思い出して
「動けなくなった自分と、その周りの人の動き」
を思い出していました
自分が動けていなかった時
「そういえば、○○さんはこんなことしてた」
「あっちでは、△△さんは■■を取りに行ってた」
のように
誰が何をしていたか
思い出せる範囲でいいので思い出してみます。
こうすると
次に似た状況になった時
「あっ!○○さんはあの時これをやってた」
と思い出しやすくなります。
人間には思考の癖があるので
1つ前の
「自分にできる事」や
「足りないこと」に絞って見つけるだけだと
どうしても似たようなモノしか見つけられず
ワンパターンになってしまいます。
それだと
自分のできることを他の人がやってくれていた場合
(悪い言い方をすれば自分の役割を取られてしまった場合)
また
「身動きが取れなくなる」という状態に陥ってしまいます。
でも
振り返りをしておくことで
具体的に誰が何していたかを
イメージすることができれば
「自分の経験」として記憶に蓄積することができます。
人間の記憶は曖昧なので
思い出すまでの時間が遅くなれば遅くなるほど
詳細に思い出すことができなくなって
「誰がいたっけ?」
「誰が、何してたっけ?」
みたいになってしまいます。
これだと
リアルに思い出すことが難しくなってしまいます。
早く振り返りをすることで
・自分の身体感覚(血の気が引いてた、胸がどきどきしてた、手足が震えてたなど)
・匂い
・空気(雰囲気)
・音や声
・映像(自分が見えていたもの)
・思考(自分が何を見て・何を聞いて何て考えていたか)
などを思い出すことが出来ます。
五感を使って
なるべくリアルに細かい所まで思い出せば出すほど
記憶に定着するので
次、同じことが起こった時にも思い出しやすく
思い出せれば動くことが出来るようになります。
対策④ネガティブな性格を使って予測してみる
ネガティブって
短所として捉えらえてしまうことが多いんですが
看護師にとっては
長所ではないかと思っています。
ネガティブな思考をしてると「悪いこと」も想定内になる
僕はネガティブなので
色んな事を想定して仕事をしています。
「この人、こうなるんじゃないか…」
「こんなことが起こったらどうしよう…」
など
「良くないことが起こったらどうしよう」
というように
特にネガティブな予測をしながら
仕事をしていることが多いです。
フリーズするときって
想定外のことが起きた時ではないでしょうか?
予測できた範囲の出来事であれば
動けなくなってしまうことはあまりないでしょう。
このように
今後、起こり得ることをなるべく多く予測しておくことも
動けなくなる対策の1つとして大切になります。
最悪な事態、良くない事態を想定するには
ネガティブな考え方というのはとても役に立ちます。
ネガティブに予測をして
それをただ心配するために使うのではなく
予測して事前に準備するために使うと
自分の「動けない」の対策になります。
自分の特性は「良い」「悪い」ではなく
いかに使うかですね。
まとめ
こんなブログを書いてはいても
未だに緊張しやすくて
身動きが取れなくなってしまうこともありますが
ここまで書いてきたことを意識したことで
最初の頃に比べると
本当に動けない・フリーズすることは
すごく減ったと思います。
「上手くいかない」
「向いてない」
「自分はダメだ」
って思っている人、悩んでいる人に
少しでも役立つ情報になったら嬉しいです。
それでは最後まで読んでいただき
ありがとうございました
SoRaでは
人間関係に悩んでいる人
仕事での愚痴や不満
日々の不安
などなど
生活の中での悩み相談を行っています
何かお困りごとがありましたら
遠慮なくご相談ください
ご予約はこちらまで
お問い合わせはこちらまで
コメントいただけると嬉しいです